栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

インフルエンザワクチン予約の気の早い話

おはようございます。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

 

今日で今年も半分おしまいですね、早いものです。私は気が早いと思われそうですが、もう今シーズンのインフルエンザワクチンをどうやって接種しようか考えています。毎年ちょっとずつ予約の取り方とか接種枠とかを考えて変更してきてますが、いつも接種希望されてる方全員にお届けすることが出来ないなど、満足いくものになりません。

 

物理的に接種する時間枠をとれないということに加え、ワクチン自体の供給が不透明で、本数を確保出来ても接種したい10~11月に間に合わず、12月後半にならないと病院に届かないなんていうあきれた現状も上手くいかない理由です。

 

特に当院にふだんからよく来てくれてる患者さんをお断りするのは、とても申し訳なくなります。いつもは違う病院に行ってるのにインフルワクチンだけ接種しにくる患者さんより、かかりつけにしてくれてる患者さんを優先したいのはどの医療機関にとっても同じ心情と思います。でも、先に予約いれてる患者さんで在庫が無くなってしまうと、いくらかかりつけ患者さんでも断らざる得なくなります。

 

 

しかし数年前から国の政策により始まり、当院でも行っているかかりつけ登録医制度(3才未満患者さんが希望により登録いただき、緊急時用の院長直通の携帯番号をお持ちいただく制度)で、かかりつけ医はその患者さんの予防接種の管理をすることも条件に入っていますので、本来ワクチン接種を希望されるかかりつけ登録している患者さんを断るのはその義務違反になるかもしれません。

 

というわけで現在いろいろ考えているところですが、特にかかりつけ登録してくれてる患者さんとその家族には出来るだけ漏れなく接種できるようにしていきたいと思っています。

保湿剤は予防薬です、赤くなったところに100回塗っても効きません。

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

おむつかぶれに続いて湿疹の話です。乳児湿疹(アトピー性皮膚炎含む)はどの時点からでもしっかりステロイドを使って症状を抑え込んで、症状が出ないようにゆっくり減らしていくことで治していけます。

 

しかし、たくさん患者さんを診てるとやはり治療は早いほど良さそうです。月齢が少ない子ほど抑え込むまでが短期間で済み、減薬も早めのテンポで落としても再発せずに保湿剤のみまでもっていけます。自分的には離乳食が始まる5ヵ月までにある程度抑え込んでおくのを目標にしています。

 

だから、早く受診して欲しいです。赤ちゃんの顔でも首でもお腹でも、「あ、ここだけ赤いな」って思ったらほぼ湿疹です。そこにヒルドイドやプロペト(ワセリン)をどれだけ塗っても一ミリも効きません。保湿剤(ヒルドイド、プロペトなど含めて)は、赤くなったところ、すなわち炎症には効かないのです。だからステロイドを使うしかありません。

 

湿疹に対して長い間保湿剤だけ塗って様子を見ていたという方がよくいます。保湿剤は湿疹が発生しないようにする予防薬です。顔や首など赤くなった部分が治らず続くときは、早く病院へ行きましょう。

おむつかぶれはステロイドを使わずに治します

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

今日は比較的地味なテーマでおむつかぶれです。意外と治らず悩んでいる方が多いです。治らないことの多くは頻回下痢などによる直接刺激が強すぎることと真菌(カビ)感染を伴いやすいことが原因です。

 

20年近く前、私も研修医の頃はおむつかぶれと言ったら、非ステロイド系抗炎症薬(アンダームとかスタデルムとか)かエキザルベ(一番弱いステロイド)でした。ところが、前者の非ステロイド系薬はほとんど効果が無い上に接触性皮膚炎を起こしやすいことがわかり、今小児科医で使う人はほとんどいません。しかし、たまに1ヵ月健診で診た産科の先生が出してたりして、悪化してることがあるので注意しましょう。後者のエキザルベは今でも小児科からよく出されていますが、真菌感染を併発すると逆に悪くなってしまいますし、頻回の下痢など合併すると攻撃因子の方が強くて治りません。そんなわけで私もエキザルベはほとんど使わなくなりました。

 

当院含め、おむつかぶれにステロイドを使わないところも増えています。おむつかぶれの治療はとにかく尿や便の刺激から皮膚を保護することと、真菌感染を悪化させないことが重要です。そこで治療の主体はこまめにおむつを変えて清潔にし、皮膚保護剤を頻回に外用(うちでは亜鉛華単軟膏ですがアズノールを使ってるところもよく聞きます)します。真菌感染があればだいたい皮膚を見ればわかるので、その際はこの保護剤治療に抗真菌薬も併用します。これでどんなにひどいおむつかぶれでも治らなかったことはありません。治らないときは保護剤の塗り方が薄いことが多いので、診察室で実際に塗って見せてどのくらい塗らないといけないか理解してもらいます。

 

ただ最近、エキザルベと抗真菌薬を混ぜて処方している病院もあって、そこに真菌感染があると治ってないけど、部分的に治ってたりして真菌かどうかもはっきりしない、訳がわからなくなってしまった状態で当院に来られる方もいます。こういうのは本当に困ります。これで治るケースもあるから処方されてるんでしょうか?理解に苦しむ。心当たりがあったら相談してください。

 

おむつかぶれは外見上目立ちませんが、赤ちゃんにとっては酷くなると四六時中その痛みに苦しむことになるので、肛門周りは時々よく観察して赤くなってたら早めに受診しましょう。

午前診療の順番取り予約の開始時刻が当日8時45分⇒前夜19時00分に変更となります。

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

ホームページやアイチケット予約サイトには先週から告知していますが、午前診療のインターネット順番取り予約の開始時刻が6月24日(月)外来から変更になります。今までは当日朝8時45分からでしたが、このたび前日夜19時00分から開始となります。つまり6月24日(月)外来の予約は、前日である23日の19時00分からになります。

 

なぜ変更することにしたかというと、当日朝になってからでないとその日の予定が立たないという声があったり、患者さんが多い日などは8時45分になったと同時にあっという間に順番予約が進んでしまい、アーティスト公演のチケット予約みたいで使いづらいと思ったからです。

 

前日からの予約ですが時間指定ではなく今まで通り順番取りです。近隣の医院の多くがしているように時間枠指定予約の方が患者さんは予定を立てやすいのだと思いますが、これまでの当院の診療スタイルを考慮して今回は順番取り予約のままで変更しませんでした。今後、要望が多ければ時間指定枠も検討していきたいと思っています。

 

前日に予約したけど当日朝までに元気になったので予約をキャンセルするという人が多く発生すると思いますし、今まで通り8時40分までに入り口に並ばれた患者さんは当日受付枠で診察します。予約の際に表示される待ち時間は目安なので、診療が始まったら時々待ち時間を時々確認して、順番が近付いたら気を付けてご来院下さい。

 

よろしくお願いいたします。

湿疹がないところをかゆがるときは

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

どうしたことかもう6月下旬というのに関西は梅雨に入りませんね、このまま入らないのでしょうか。そんなことってあるんでしょうか?

 

梅雨入り前ですが暑い日が増えてきました。最近、お子さんが首とか腰(パンツやオムツ内の)とかを掻きだしてませんか?湿疹治療が順調に進んで、ステロイドの外用回数を減らしてきてた患者さんでも、最近かゆがるので毎日塗っていますと言われる方があります。良く聞くとそこに湿疹が出てきたわけではないが掻いて赤くなるので追加外用しているとのこと。おそらくそれは汗+べとつく系の保湿剤による痒みと思われます。

 

こういう湿疹が順調に良くなってきてる方は真面目に保湿剤もしっかり塗ってくれてることが多いので、冬場の感覚で保湿してると汗が蒸発しにくくなり痒みが出てきている可能性があります。首やオムツ内などの乾燥しにくいところは保湿剤を少なめにするか、夏場だけクリーム剤をローションやフォーム剤のさっぱり系に変えてみても良いかもしれません。当院でお勧めしてるワセリンパックもそのような部位は薄めにパックしましょう。汗がたくさん出る原因になるお風呂もなるべくぬるめ短めにしてくださいね。

 

こういったこともそうですが、湿疹の治療は病院で薬だけもらって保護者の自己流でやろうとすると上手くいきません。有名なプロアクティブ療法も必ず医師と相談しながら調整するようにしましょうね。

皮膚のバリア機能測定してます

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

最近感染症も少なめになり、平日午前外来の後半はほとんど皮膚科になったかのように湿疹治療の患者さんが続くことがしばしばです。

 

当院では乳児湿疹もアトピー性皮膚炎も、治療の基本はプロアクティブ療法と呼ばれる、見た目の湿疹が消えてもすぐに薬を止めずにゆっくりと再発しないように外用回数を減らしていく方法をとっています。といってもどこかで減らさないといけなくて、そのタイミングの見極めは結局は私の勘に頼ることになります。開業以来かなりの数のプロアクティブ療法をやっていますがそれでも減らすタイミングに悩むことがありまして、何か指標になるものはないかと考えて導入したのが下の写真のものです。

 

経皮水分蒸散量(TEWL:transepidermal water loss)の計測器です。このTEWLは皮膚バリア機能の指標となり、湿疹が再発しにくい、乾燥しにくい正常なバリアをもつ皮膚かどうかを調べることが出来ます。皮膚に10秒ほど押し当てるだけの痛くも痒くもない検査です。参照:https://www.kao.com/jp/binkanhada/skin_02_06/

 

また、湿疹が治ってステロイド剤を減らしても毎日のスキンケア(保湿剤など)は欠かさないようにお願いしていますが、つい見た目がきれいだと保湿剤まで塗らなくなってしまう保護者もおられます。そうならないようにTEWL値を示して、まだまだ湿疹が再発しやすい状態で保湿剤は継続する必要があることを納得していただくのにも使っています。

 

実際問題、ステロイドプロアクティブ療法にしろ、1日2回以上の保湿剤にしろ長期間続けるのは大変だと思います。でも、初めに頑張って皮膚のバリアを強くしてあげれば、将来的には湿疹が再発しにくい、保湿剤を多少さぼっても乾燥しにくい肌になるので一緒に頑張りましょう。
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おとなの予防接種を受けましょう(風疹第五期定期接種について)

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

下の画像のようなものが私にも届きました。皆さんの家庭のお父さんにも届いて無いでしょうか?風疹の定期予防接種のクーポン券です。昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性を対象とした大人の予防接種です。あれだけ検査なんぞいらんと私が書いたのに(厚労省の役人はこんなブログ読んでないに決まってますがw)、抗体検査をしてから抗体価が低いのを確認しないと接種出来ません。しかし検査から接種まで全部無料で出来ます。風疹対策ですが、麻疹風疹ワクチンを使うので麻疹対策も出来ます。折角無料なので対象のお父さんは期限内にぜひとも接種しましょう。

 

なお、妊娠希望女性や対象年齢から外れる男性配偶者に対する接種も各自治体(栗東市http://www.city.ritto.lg.jp/soshiki/kodomokenkou/kenko/oshirase/8058.html)で費用助成しているところも多いので是非検討してください。

 

お子さんと一緒にお父さんもこれを機会に麻疹風疹予防接種はいかがでしょうか?当院で抗体検査からワクチン接種まで可能です。お気軽にお問い合わせください。

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