栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

検査しても異常がなく、体重がなかなか増えなくて困ってる赤ちゃんのお母さんたちへ

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

体重がなかなか増えない赤ちゃんがいます、乳幼児健診では必ず身体計測をして必ずチェックされます。平均値から大きく外れるほど小さい子は、医師側からすると何かしらの病気がないかを心配します。心臓、神経、筋肉、内分泌などの先天的な病気が原因で治療を急がないといけない場合もあります。実際、健診などから体重増加不良の赤ちゃんを紹介された病院では、そういった病気がないかを検査することになります。しかし本当に病気が見つかるのは一部であり、大半は栄養摂取の問題であることが多いです。

 

すなわち、乳児早期なら授乳がうまく行ってない、もうちょっと後からなら離乳食が進められてないなどです。この問題になってくると小児科医はほとんど無力です。当然ですが男性小児科医に母乳の与え方などわかるわけないし、離乳食だってほとんど知識はありません。子どものいない女医さんだってほぼ同様と思います。そうなると一通りの検査を終えた後の外来は、定期的に体重を測るだけのあまり意味の無い外来フォローになっていることがしばしばあります(後から病気の症状が出現することがあるから全く無意味ではないですが)。小児科医の外来以外に、助産師や栄養士による相談や指導を平行して行うことが理想と思いますが、そこまでやってるところはごく少数の様です。実際、大きな病院でフォローされている患者さんに聞いても、ただ体重測りに行ってるだけで何もしてもらってないと不満げに言われます。

 

当院では予防接種時に体重計測を行い、増加が良くないときには授乳や離乳食の状況も確認し、母乳外来につなげたり離乳食のアドバイスなどを助産師と保健師から行っています。ちょっとした母乳や離乳食の与え方、時間配分などを修正するだけでも栄養摂取が著しく改善して体重が増え始めることも多いです。すぐには上手く行かないこともありますが粘り強く解決策を一緒に考えています。必要であれば予防接種が終了してからも定期的に相談を継続することもあります。もちろん私は小児科医として何か隠れた病気がないかを注意して診ています。

 

母乳栄養の利点ばかり強調される中で、肝腎の上手な授乳方法がお母さんたちに浸透しておらずトラブルに悩んでいることが多いですし、一昔前の誤った食物アレルギーの知識を引きずって、1歳近くなってもお粥と野菜の離乳食のまま進まず栄養不足になってる赤ちゃんをしばしば見かけます。

 

赤ちゃんが飲まない、食べない、体重が増えないで悩んでるお母さんはぜひ気軽に相談いただければと思います。

 

 

 

 

母乳外来始めました(体重増えてないからミルクを足すように言われてもちょっと待って!)

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

ホームページに告知しましたが母乳外来を始めることにしました。しこり、詰まり、乳腺炎などの乳房トラブルや母乳分泌不足、赤ちゃんの体重増加不良などでお悩みの方を対象とした外来です。直接授乳や乳房を見るのは助産師さんです、私は赤ちゃんの方に問題がありそうなら診させていただきます。月・火・水・金の午後枠です(初診は火曜15~16時)。

出来る限り母乳での育児を希望するお母さんが多いですね。でも、新生児訪問や1ヶ月健診で赤ちゃんの体重の増えが悪いからミルクを足すように言われることがしばしばあるようです。そういう時などはミルクを足す前に、ぜひ母乳外来で相談して欲しいです。本当に母乳分泌が足りないのか、足りないなら分泌を促すにはどうするかなど。実際に授乳を見せてもらったりもしながら対策を提案します。

実は以前からしばしば別件で受診の際に(カゼやワクチンや湿疹などで)、母乳や体重増加不良の相談が出たりして急遽授乳や乳房に関して助産師さんに診てもらっていました。当院でそういう対応が出来ることを知らなかったお母さんも多くて喜んでくれていたのと、もっと早く診れていたらお母さんも赤ちゃんも悩まずに済んだというケースもあったので、正式に開始することになりました。症状が出てから対応するのは早いほど良いので、心配になったら1ヵ月健診やデビューワクチンまで待たずに早めに受診、相談してくださいね。

生後間もない赤ちゃんがいたり、これから生まれてくる予定の家族は、百日咳を予防するために就学前三種混合ワクチンの追加接種を強く勧めます。

 こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

百日咳が全国的に増えているそうです。乳児期早期の赤ちゃんが感染すると死亡する可能性もある怖い感染症です。そういえば当診療所から初めて救急車で搬送したのも百日咳にかかった1ヵ月の赤ちゃんでした。四種や三種混合ワクチンに含まれているのでそれを接種し終えた1歳半以後の幼児はあまり発症しませんが、3ヵ月未満のまだ1回目の同ワクチンも接種してない年代で感染するととても危険です。

 

実は1年ほど前から日本小児科学会は就学前に接種するワクチンとして、現在の麻疹風疹ワクチンとおたふくかぜワクチンに加えて、三種混合ワクチンとポリオワクチンの追加接種を推奨するようになっています(ただしいずれも任意で、費用は自己負担)。ポリオはまた別の機会に言及するとして、三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)が追加になった背景として、百日咳の抗体が就学前にあたる6歳くらいから急に減少して百日咳を発症する小学生が激増しているのがあります。

 

流行を抑え込むためには全員接種するのが理想ですが、有料なのもあり難しそうです。ただ家族内に生まれてまもない赤ちゃんがいたり、これから生まれてくる予定があれば、出来るだけ彼らに感染させないように、就学前以上の兄姉さんには三種混合ワクチンを追加接種しておくことを強く勧めたいと思います。

 

なお、当院では三種混合ワクチン接種1回4500円です。

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大人の男としてやるべきことやろう!(風疹予防接種クーポン券の話)

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

悲しいニュースです。以前このブログでも紹介した40~56歳を対象に風疹抗体検査および風疹ワクチンの無料クーポン券が配布され(今年はとりあえず40~46歳に配布)、現在の風疹流行を抑制し、妊婦の感染による先天性風疹症候群を予防しようという国の試みです。当院ではパラパラ患者さんのお父さんたちが検査+ワクチン接種に来られていますが、国内全体ではほとんどそのクーポンが利用されていないということです。今年度で330万人が検査を受ける見込みが、4~5月で12.5万人しか利用していないそうです。

 

本当に情けない、40~46歳といういい大人の男が何をしてるんでしょうか?タダ券までもらってもまだやらない?関心がない?国の増税社会福祉に不平をいう前に、大人としてやるべきことやろう!と言いたいです。老後散々世話になる若い世代に対してもっと優しさを持つべきじゃないでしょうか。当院でももっと子どもの付き添いで来たお父さんに該当者がいればしつこく勧めようと思います。

www.asahi.com

8月16日(金)はいつも通り診療いたします!

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

突然ですが、8月16日(金)は通常通り午前と夜の一般外来を行います。近隣にお住まいの方なら周知されてることなのですが、当院のある栗東駅東口周辺の一帯が以下の画像のように終日交通規制となります。

 

栗東駅東口にあるさきらホールで日教組全教の全国集会があり、それを妨害するために右翼の街宣車が大量に集結するので、その進入を阻止するためだそうです。その日はこの地域内のショッピングセンター(アルプラザ栗東)、コンビニ、病院までもほとんどが休業になる予定です。この域内への進入が規制される上に、周辺に街宣車が集まってるので、車で外出すると簡単には戻ってこれないとの噂です。

 

全くこの時代にこんな馬鹿げたことがあるのかと激しく憤慨しております。この地域はかなりのマンション街でたくさんの方が住んでいて、それぞれに生活があります。急病になる方もいるでしょう。誰にこの怒りの矛先を向ければいいのか、日教組?右翼?警察?、私にはよくわかりませんが、こういうときこそ普通に診療することに決めました。

 

9~12時、17~19時の一般外来は通常通り受け付けます。急病など域内で受診希望の方はどうぞご利用下さい、内科クリニックもすべて休診らしいので成人の方で受診が必要な方も出来るだけ診させていただきます(内科領域)。

 

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子宮頸がんワクチンは半年かけて3回接種なので、高1女子はそろそろ急がないと3回目が自費になってしまいますよ

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

子宮頸がんワクチン、ボチボチと接種を続けています。女の子は絶対に接種した方が良いです。相手は20~30歳台という女性にとって最も重要かつ幸せかもしれない時間に発症する残酷なガンです。

 

このワクチンですが、定期接種の対象は高1年生の年度末までです。注意が必要なのは6ヵ月かけて3回接種なので、どんなに遅くても9月までに1回目を接種しないと、それ以後から始めると3回目は1.5万円ほど自腹を切って接種しないといけなくなります。風邪をひくなどで発熱していたら接種できないので、あまりギリギリでの接種を始めるのもお勧めしません。

 

子宮頸がんワクチンを接種するか迷ってるうちに娘が高1になってしまったというご両親、そろそろ決断しないといけません。自費接種になってしまうからだけではなく、接種の前に性感染してしまっては意味がなくなるからです。娘さんの将来のために考えて欲しいと思います。

 

インフルエンザワクチン予約の気の早い話

おはようございます。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

 

今日で今年も半分おしまいですね、早いものです。私は気が早いと思われそうですが、もう今シーズンのインフルエンザワクチンをどうやって接種しようか考えています。毎年ちょっとずつ予約の取り方とか接種枠とかを考えて変更してきてますが、いつも接種希望されてる方全員にお届けすることが出来ないなど、満足いくものになりません。

 

物理的に接種する時間枠をとれないということに加え、ワクチン自体の供給が不透明で、本数を確保出来ても接種したい10~11月に間に合わず、12月後半にならないと病院に届かないなんていうあきれた現状も上手くいかない理由です。

 

特に当院にふだんからよく来てくれてる患者さんをお断りするのは、とても申し訳なくなります。いつもは違う病院に行ってるのにインフルワクチンだけ接種しにくる患者さんより、かかりつけにしてくれてる患者さんを優先したいのはどの医療機関にとっても同じ心情と思います。でも、先に予約いれてる患者さんで在庫が無くなってしまうと、いくらかかりつけ患者さんでも断らざる得なくなります。

 

 

しかし数年前から国の政策により始まり、当院でも行っているかかりつけ登録医制度(3才未満患者さんが希望により登録いただき、緊急時用の院長直通の携帯番号をお持ちいただく制度)で、かかりつけ医はその患者さんの予防接種の管理をすることも条件に入っていますので、本来ワクチン接種を希望されるかかりつけ登録している患者さんを断るのはその義務違反になるかもしれません。

 

というわけで現在いろいろ考えているところですが、特にかかりつけ登録してくれてる患者さんとその家族には出来るだけ漏れなく接種できるようにしていきたいと思っています。