栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

狭いけど換気効率はどこにも負けないクリニックです

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

コロナウイルス感染予防には換気が重要ということで、当院でも最近は30~60分毎に派手に診察室、待合室の窓を開け放って換気をしております。暖かくなってきたのでそんなに室温も変わらず出来るのが良いですね。心地よい風が抜けて良い感じです。重症花粉症の私としては花粉だけが懸念材料ですが仕方ありません。

 

他のクリニックや病院を思い出してもらえばわかりますが、待合室はともかく診察室って窓の無い部屋が多いと思いませんか?普通にクリニックを人の動線を考えて設計していくと、診察室は建物の内部に配置されることが多くて、実はかなり換気が悪い部屋になってしまうのです。

 

私はそれが嫌で、設計段階で待合室、診察室、処置室、隔離室など出来る限り大きめに窓をつけて、且つ窓を解放した時に空気が速やかに流れるように作りました。本当を言うと換気というより、自然の光を入れたかったというのが大きい理由なんですけどね。

 

今回のコロナ予防目的での換気に際してはとても効果的で、この設計にして良かったと思いました。よかったら公式ホームページ内のネット内覧会をご覧くださいませ。

ネット内覧会 1 - 栗東よしおか小児科(公式ホームページ)

ネット内覧会 2 - 栗東よしおか小児科(公式ホームページ)

 

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卒業式や入学式が無くなったって、時間がたてばたいしたことではありません

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

結局またコロナの話に戻ります。感染拡大を少しでも減らすために、様々な人が集まる活動に自粛が求められていますね。卒業式や入学式や海外旅行とか。人生での大きなイベント、長いこと楽しみにしていたこと、多額のキャンセル料がかかるものなども。

 

こういう状況って、今回のコロナに限らず診療をやってるとしばしばあります。卒業式の前にインフルエンザになったり、海外旅行の前にてんかん発作を起こしたり。どんなに悔しくても、大金が無駄になっても、長い期間準備していたことだとしても中止しないといけないことがあります。後から振り返れば、別に中止しなくても良かったものになるかもしれないけど、もし強行してたら自分自身や周囲に多大な損害があったかもしれません。

 

中止したときは、とても悔しくて残念かもしれないけど、時間がたてばほろ苦い思い出の一つになっていくのだし、無駄になったお金はそのうち貯まってくるものです。でも命を失ったら決して戻ってこないし、他人を傷つけるなどで失われた社会的信用は簡単には取り戻せません。

 

「あ~、あの時はコロナで卒業式も入学式も無くなったんだよな、やりたかったな~」ってそれだけです。たいしたことないです。卒業した事実も入学した事実も変わりはないし、一緒に祝うはずだった先生も同級生も両親もが変わらず健康でいれたらそれで十分ではないでしょうか。

 

ちなみに私は小中高大すべての入学式卒業式、ほとんど記憶に無いんですがおかしいですかね?

赤ちゃんの保湿のちょっと具体的な話

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

コロナ以外の話もそろそろ。保湿剤の話です。湿疹で定期受診している方にも、予防接種や他の理由で受診された方にも、保湿剤をもっと使うようにうるさいくらいに言っています。

・1日2回以上塗ること、1日1回じゃ塗ってるうちに入らない、1回と2回じゃ効果が4倍違うんですよ!(⇒ヘパリン類似物質に関してです)

・保湿剤なら何でもいいです、ドラッグストアにある子どもにも使えると書いてあるものならキュレルでもピジョンでもアトピタでも、何でもいいから。

・ただしワセリンは保護剤であってそれ以上乾燥しないようには出来るけど、保湿成分は無いから保湿剤としては使えませんよ。

・とにかくベトベトになるまでたっぷり塗るようにして。塗り過ぎて肌に悪いことはない、早く無くなってしまうのが困るくらいです。

などなど。でも、なかなか改善しない方が多くて。今回はもっと具体的に保湿剤について書いてみようと思います。

 

まず、外用量に関しては有名なフィンガーチップユニットという人差し指の指先から第一関節まで出した薬の量が0.5gくらいで、手のひら二つ分の面積の外用に適したものというのがあります。これはローション(乳液)では指の上からこぼれてしまうので、ローション(乳液)なら1円玉くらいの量が相当するっていうのです。でも、この説明で外用してもらっても十分でないことが多いです。

 

それで、もっと長い期間で検討してみましょう。6ヵ月くらいまでの赤ちゃんの全身を保湿すると1回4g(ローションでも4mlくらいでしょう)くらい必要とされてます、すると1日2回として1週間で4g/回×2回×7日=56g使うことになります。結構使うでしょう。産院でもらったヘパリン類似物質の25gチューブを何か月も使ってる方がいますが全然足りてません!

ヒルドイドサイト ヒルドイドの使い方:使用量の目安 / 医療関係者向け情報 | マルホ株式会社

 

次に何を使うかですが、本当に何でも良いです。よく病院で処方されるヒルドイド(ヘパリン類似物質)にこだわっている方がいますが、これは薬価がかなり高くてむやみに多く処方することの制限を国から求められています、最近は私も治療上必要な方にしか処方しないようにしています。どうしてもヘパリン類似物質が良ければ市販もされていますから。何でも良いと言われると逆に困るというなら、セラミドが昔から保湿成分として有名なのでそれが含まれているものにしたらどうでしょう、キュレルとかピジョンとかママアンドキッズのものなどに入っているようです。剤形はローション(乳液)よりクリームの方が効果のもちが良さそうですがベトベトしますし、コスパ的にちょっとお高いですね。これから暖かくなるしローション(乳液)で良いと思います。

 

200~300mlくらいのボトルで売ってることが多いので、上記の使用量計算で1週間で56g(ml)として1か月でボトル1本ですね。1か月で1本使い切るつもりで塗りましょう。コストはキュレルなら220mlボトルが1400円くらいですね。

花王株式会社 キュレル ローション [ボトル] 【医薬部外品】

 

もっとコストを抑えたいなら、夜は本ブログでお馴染みのワセリンパックをして朝は保湿剤でも良いとは思います。白色ワセリンは500gで1000円くらい。

とっておきの乾燥肌対策!(と思う) - 栗東よしおか小児科の院長ブログ

 

生まれて最初の5か月のスキンケアが、後の人生におけるアレルギー疾患マーチを左右すると言っても過言ではありません。頑張りましょう!

 

みんなちゃんと専門家委員会の言うとおりにしましょう

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

結局コロナの話題を書きます。FBにも書いたのですが1万人(結果的には6500人)を集める格闘技イベントが開催されました。もうね、客も主催者も格闘家も1か月くらい埼玉スーパーアリーナから出てくるなって感じですね。なんでこんな人たちに配るマスクがあるのに、京都大学附属病院がマスク不足で困ってるなんて、やっぱり流通がどっかで偏ってるんじゃないかって心配になります。

 

こんなことしてるのはK1だけかと思ってたら、宝塚歌劇団も公演再開するのだとか。興行を中止することは主催者が倒産の危機に陥るほどの損害だそうですが、それで強行するのは違いますよね。中止することを前提として損害を抑える方法を考えるべき状況だと思います。

 

少なくともヨーロッパのような医療崩壊を来さずに日本が耐えられてるのは、専門家の方たちの力だと思います。みんなでちゃんと専門家委員会の言うことを聞きましょう。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

 

気になることがあるのに乳幼児健診が中止になってしまい心配になっているなら、普通に小児科を受診して相談されれば良いと思います

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

何とも先行きの見えない不安に覆われた世になってきましたね。東日本大震災とその原発事故のときも結構なものでしたが、今回は世界規模でスケールが違う。こんなことは宇宙人が攻めてくる映画の中の世界だと思っていました。まさか現実になるとは。

 

そういえば乳幼児の集団健診が中止になっています。私にはとりあえず中止になりますと連絡が来ただけです。健診出来なかった子たちはどうするのかという連絡は何にもありません。来月、再来月に再開出来たら延期になってる子もまとめて健診するつもりなんでしょうか。いきなり1日で倍の数を診ろって言われても無理ですからね!市の担当者は誰もここを見てないでしょうけど(笑)。

 

1歳半や3歳半の健診が1~2カ月遅れたくらいなら、どうということもありませんが、4か月など乳児の健診が遅れるとあんまり良くないです。体の成長はもちろん、いろんな病気があれば対応が遅れるとまずいことがあります。もし心配な事があれば普通に小児科受診されても良いと思います。「健診」を希望されての診察は自費診療になってしまいますが、「○○が心配だから診て欲しい」なら堂々と保険診療として診察出来ますから。当院ならワクチンのときにも出来るだけ対応するので遠慮なく相談してください。今なら感染症の患者さんも少ないので、待ち時間も少なめでカゼをもらうことなく診察してもらえることが多いと思いますしね。

もしこれを機会に軽い症状なら受診せず、自宅で休んでいれば治ることに気付いてもらえるなら、とても良いことだと思います

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

新型コロナの影響でか全体に感染症の患者さんが減っています。毎年、3月は意外といろんな感染症が流行って比較的多い月なのですが、今は病院が新型コロナ感染の場になり得るとして、軽い症状なら受診を控える動きに加え、学校が休校になり実質学級閉鎖状態で感染症が減ってるからと思われます。

 

もしこれを機会に軽い症状なら病院に受診しなくても薬をもらわなくても、自宅で休んでいれば治ることに気付いてもらえるなら、とても良いことだと思います。何より患者さんにとって、しんどい状態で病院にわざわざ行かなくてもよくなるのですからね。

 

クリニックの経営のことを心配して下さる方がいるかもしれませんが大丈夫です(笑)。突発的な感染症の受診が減れば、その分かねてから力を入れたく思っている育児支援、成長発達のフォロー、湿疹やアレルギー、便秘など慢性疾患の治療を手厚くすることが出来ます。ワクチン枠もちょっと余裕が出来るかな。これまでは感染症患者さんの増減は予測が難しくて、外来が混乱しないように出来るだけ枠を確保していたのですが、それを今後は縮小出来るんじゃないかと思っています。

 

これからの小児科クリニックはひどくなった病気をその都度治療する場ではなく、一人一人の子どもの成長発達に寄り添っていく存在であることを望まれています。それは近々ある診療報酬改定の内容から国の方針でもあることが明確です。私自身、まだ何とか体力のあるうちは、この方針に応えて行きたいと思っています。

新型コロナに感染したときのために

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

うーん、コロナについて書かなきゃいけないのかなと思いながら、タイミングを逃して更新がこんなに空いてしまいました。気の利いたことは言えません。なんで学校での集団発生は起きてないのに全国休校になるの?とか、幼稚園や学童なら行って良いとか休校してる意味あるの?とか、ジムや屋形船でクラスターしてるのになんでそっちが閉鎖にならないの?とか、感度が70%程度なのに(ウイルスがいても70%しか陽性にならない)なんで検査したがるの?とか、みんなが思っていることとほぼ同じです。

 

感染予防についてはマスクとか手洗いとか、みなさんしっかりされているなあと思います。しかし現時点で残念ながら感染者は全国で増加の一方で抑えられる気配が見られません、そのうちインフルエンザのようにありふれたウイルスになるかもしれません。みなさんがやるべき事は感染しないように努力だけでなく、感染しても自力で治せるように体調を整えておくこと、風邪症状が少しでも出てきたら早く休むこと(栄養摂って暖かくして寝る!)。それは他のウイルスかぜでも同じで、治療の大前提です。新型コロナは治療がないんですから、なおさらですね。

 

個人的には新型コロナそのものより、マスクやアルコールが無くなることや、無邪気に本物の感染者が待合に入ってきて私たちが濃厚接触者になり業務停止になることの方がよほど怖いです。