栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

お勧めの湿疹治療の本です

 こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

このブログで本の紹介することって今まで無かったと思います。患者さん向けに出されてる治療に関する本って、民間療法的なものが多かったり、学会のガイドラインに即したものであってもどこか現場の感覚とかけ離れたものが多かったり。例えば、ステロイド外用薬の長期連用は避けましょう的な(ステロイドは長期連用上等です!正しく使えばね)。あんまり患者さん診てない偉い人が監修してるからなのかなと思いますが。

 

最近出版された以下の本ですが、いつも私から患者さんに言ってることや、やっている治療を解りやすくマンガで書いてあります。湿疹が改善しても外用を続けるプロアクティブ療法については、きれいな肌になってもステロイドを続けることに抵抗があって中断してしまう方も多いのですが、この治療に関しても詳しく書かれています。個人的にはここを一番読んで欲しいですね。

 

アトピー性皮膚炎と言ってますが、どちらかというと生後数か月の、まだ乳児湿疹と言われてるかもしない段階の患者さん向けになっています。赤ちゃんの育児で忙しいお母さん、お父さんにマンガの部分だけでも読んでみるのをお勧めします。

 

オンライン診療(電話診療)は気軽に上手に活用していきましょう!

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

オンライン診療、だいぶ慣れてきました!→私が(笑)

 

別に今の新型コロナ流行期に限ったことではなく、以前から「○○の症状なんですけど、受診した方が良いですか?」という問い合わせは多くあって、それに看護師が聞いて助言をしたり、受診を促すなんてことはしてました。今であれば、そういった問い合わせはそのままオンライン診療(電話だけでも可なので)に切り替えて、処方も出来てしまいます。薬は急がなければ当院の門前薬局から郵送も出来ますし、その日のうちに必要ならご希望の薬局へ処方せんをFAX出来ますので、その薬局で受け取ることが出来ます。

 

上記のような、急な症状に関するオンライン受診(ほとんどが初診になるような)は、実はこの新型コロナ流行期に限ってつい最近から認められたものなので、流行が収まれば定期受診の処方のみに戻さないといけないかもしれません。

 

実際、直接の対面診察が必要なケースもしばしばあり、来院をお願いすることがあります。例えば多いのが咳鼻が長期間続いているといったケース。もちろんコロナの可能性はありますが、それはちょっと置いといて。咳鼻が続いてるだけで比較的元気だと、ご家族は風邪薬だけもらえれば良いかと思われてオンライン受診を希望されます。でも、我々としては風邪ではなく喘息で咳が長びいてるのかもと疑います、そうなると聴診器をあてて肺音を聞かないことにはわかりません。鼻水が続いてるなら、蓄膿や中耳炎になっているかもしれません、これも耳鏡で鼓膜をのぞかないとわかりません。喘息にしても中耳炎にしても通常の風邪薬では治らず、悪化していくかもしれません。

 

そういった対面診療が必要な状況に注意しつつも、上手にオンライン診療を活用していきましょう。ビデオ通話は当院ではLINEやfacetimeを利用しますが、それにちょっと恥ずかしくて抵抗がある方は電話だけでも可能ですので気軽にご利用ください。

体調が悪いけどコロナの院内感染が心配だから受診を戸惑う方も、空いている時間を問い合わすなどして、手遅れになる前に必ず受診するようにしましょう。

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

コロナ感染予防のために、軽い症状なら受診を控える方が増えているようです。それはそれで良いと思います、「ああ、このくらいなら病院行かなくても、薬飲まなくても治るんだなあ」と気付いて学んでもらえるなら、それはそれで良いことと思います。一方で気になるのは、コロナを怖がるあまり、病状が悪化しても受診を控える方も出てきているようです。一般的に子どもが食欲があれば、眠れていれば、多少の感染症状でも大丈夫という基準がありますが、喘息や肺炎、中耳炎など悪化してても意外とぐったりせずに過ごしている子もいたりして、ご家庭で判断するのは難しいものです。

 

状態が悪化してしまってから受診した時には、結局その後に頻繁に受診して治療をすることになったり、入院することになったりするかもしれません。コロナがいくら流行しても、他の厄介な病気もかわらず我々の周りには存在しているものです。

 

今はどこの小児科も、普段のようにどの診療時間にも患者さんであふれていることは少ないです。症状が改善されず受診したいけど院内感染が心配というなら、クリニックに前もって電話で空いてるタイミングを問い合わせてから受診するのも良いかもしれません。ちなみに当院では感染症状の方が出来る限り同じ空間にあふれ無いように(出来るだけ1組になるように)、来院いただく時間を調整しつつ、感染者用待合、隔離室、車内待機をフル活用して待っていただくようにしています。

診療日も診療時間とも縮小せずに突き進むので、密集状態回避にご協力ください。

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

新型コロナウイルス流行の悪化に伴い、県内でも医療崩壊の心配が取り沙汰されているなか、私は一般診療は比較的余裕があり、休日にいつもあるような学会や会議は軒並み中止延期になってるので、心苦しく日々を過ごしています。

 

コロナ以外の病気たちが空気読んで自粛してくれるわけでもないので、いつも通り体調を崩す子はいますし、慢性疾患の管理も必要なので、他の業種のように休業するわけにもいきません。全体として来院患者数は減っているので診療日、時間を減らしているクリニックもありますし、感染対策をかねて感染患者と非感染患者を診療受付時間帯を分けるようにしてるところも多いようです。

 

うちも少し考えたのですが、現在患者数が減ることで、皮肉な結果なのですが待合室の密集状態が避けらるという良い影響も出ています。時間数を狭めると短い時間に患者さんが集中し密集状態になり得ますから、当面このままの診療時間でいこうと思っています。感染、非感染と診察時間帯を分けるのも、感染症状が無くても新型コロナに関しては感染力を有している可能性もある(発症3日前から!)とのことで、そこまでの意味はないかと考え、現状の2つの待合を使って分けるのみで時間帯を区切ることはしないことにしました。

 

とにもかくにも、待合での密集状態を極力回避したいので診察時は、出来るだけ付き添い家族は少なめにお願いいたします。ご希望があれば駐車場の車内でお待ちいただくのでも構いません。また、お子さん(どうしても嫌がる乳幼児を除いて)を含めて原則マスクをして来院してください。ご協力のほど、お願いいたします。

 

可能性の低いリスクに振り回されないでほしい

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

県内にもコロナが急増していて小児例も見られるようになりました。ついには昨日、隣の市に保育園児に陽性者が確認されました。

 

以前から隣市である事業所でもクラスターが起きていて、その事業所に勤めていた方(陽性者や濃厚摂食者ではない)の子どもと同じ保育園の方が、コロナが心配ということで受診されたりしています。それだけ離れていたら、あまりそこからの感染は考えにくいのですが、心配になってしまうようですね。

 

ウイルスによって多少の違いはありますが、周囲への感染力はだいたい発症日(発熱、咳鼻などが実際に出現する日)の直前から、発熱など強い症状が出てる間が高いものです。今日たまたま見た情報では新型コロナウイルスは発症2~3日前からの感染力が高いそうです。確かに他のウイルスより発症に先駆けて感染力が上がるのは厄介です。しかし潜伏期に感染することはまれでしょうし、感染してても症状がずっと無い人からうつることも、症状が強い人からと比較したら多くはないのではと思います。

 

PCR陽性者→経過観察中のその濃厚接触者→その同僚→その子どもである保育園児→その保育園の同級生、というふうにウイルスが順番に衣服などに接着してリレーされてくるととかはかなり考えにくいですし、感染するなら感染者との接触だけど潜伏期であればうつる可能性は低いと思います。最悪、感染してたとしても多くの場合、特に小児は軽症で終わると言われています。

 

つまり、何が言いたいかというと、あまり可能性の低いリスクに振り回されないようにして欲しいと思います。で、これまで起きてしまってることは過去のことでどうしようもないので、これから出来る外出自粛や手洗いを徹底するほかないと思います。

オンライン診療(電話再診含む)を始めました!

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

開院以来、世のニーズに応えていく医療をモットーとしている当院としては、オンライン診療は始めない選択肢はありません!ということで、大急ぎで準備して本日から受付始めました。今朝にホームページに告知したのに、もう何件も問い合わせがありました、みなさんよく見て下さってる!

 

原則として定期受診の方の再診の場合は、症状の変化がないことが前提になります。今日は問い合わせいただいた時の問診段階で症状の変化があることがわかって、普通の対面診療になってしまう方が少なくありませんでした。気管支喘息なら最近咳が増えてきたとか、湿疹なら近頃よく掻きむしってるとか。喘息は聴診しないと発作が出てるかわからないし、湿疹も皮膚を触ってみないと正確に状態を評価出来ません。

 

本来再診患者に限られていたオンライン診療ですが、この新型コロナ流行により初診から可能になりました。厚労省のイメージでは病院での感染を予防するために、軽度の風邪症状ならオンライン診療を用いてもらおうという考えなのですが、咳鼻などの症状は軽微で、多少熱があるけど、本人は元気といった患者くらいの軽症でないと、聴診器も当てずに薬を出すというのは正直怖い感じがします。

 

とはいえ、滋賀もこれからコロナ患者が増加していけばオンライン診療が威力を発揮してくるかもしれません。一応事務的な話をしとくと、当院門前薬局からの処方なら薬は郵送か配達してくれます。他の薬局からの処方希望であれば処方せんを患者様ご自宅に郵送することも出来ます。自己負担金のお支払は基本的には次回来院時にお願いすることにしています。御希望の方は直接クリニックに電話でお問い合わせください。

親のアトピーがひどくても絶対に子どもの湿疹は治るので、積極的に治療に取り組んで欲しい

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

コロナと関係ないこと書きます。お子さんの湿疹の治療に積極的でない方がいます。ステロイドを断固拒否して他府県の○○病院まで行って治療しているような方ではないです。これはある意味熱心に治療されてると言えるでしょう。そういうのではなく、湿疹を指摘されて薬はもらうけど、指示通りに外用している様子もなく、治したいと気持ちが見られないような保護者です。

 

もちろんそれでは治りません。そんな保護者にはご自身が割と重症のアトピー性皮膚炎であることが多い印象があります。「自分がひどいアトピーだから、遺伝で子どもがアトピーになるのは仕方がない」とか、「自分もステロイドを塗ってきたが治らなかった」とか想いを聞かせてくれるお母さんもいました。

 

結論からいうと、それは全く間違っています。親が重症アトピーでも、子どもは必ず治すことが出来ます。理由はアトピー(湿疹)に対する治療方が全然違うからです。例えば、、、

昔:ステロイド剤は副作用があるからなるべく少なめに使う

今:ステロイド剤は必要量をしっかりとたっぷり使う(フィンガーチップユニット)

 

昔:ステロイド剤は副作用があるから長期連用をさけ、良くなれば早めに中止する

今:ステロイド剤は湿疹が良くなってもすぐに中止せず、塗る間隔を空けながら、皮膚の良い状態を保ちつつゆっくり減らしていく(プロアクティブ療法)

 

昔:そもそも保湿剤を子どもに塗る習慣がなかった

今:生後すぐからでも保湿剤を塗ることで湿疹を予防出来ることがわかった、また効果の高い保湿剤が作られるようになった

 

昔:ステロイド剤しかなかったり、ほとんど効かないばかりか接触性皮膚炎の原因になる非ステロイド系抗炎症剤(スタデルムだの、アンダームだの懐かしい!)がよく使われた

今:プロトピックのようなステロイドではない優秀な外用治療薬の選択肢が出来た

 

こんな感じです。昔っていってもそんなに前ではありません。ほんの10~20年前、下手したら今でも昔の治療をしてるところもあるかもしれません。ステロイド剤の考え方は今と昔ではほぼ正反対ですね。医療の世界は結構こういうことがあります。

 

保護者のアトピーがひどいかどうかは関係ありません、必ず子供の湿疹は適切に治療すれば良くなります。特に小さいうちから治療した方が上手くいきます。保育所入所、小学校入学、中学、高校となるうちに段階的に治療は難しくなります。なぜなら、皮膚を清潔に保てない、薬や保湿剤が塗れない時間が増える、本人が外用を嫌がる、体が大きくなり外用する範囲が増える、といった増悪因子が増えるからです。なるべく早い段階から、ぜひ積極的に湿疹治療に取り組んで欲しいと思います。