栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

全ての子どもに、大人になるまでその成長を見守る他人がいればいいのにね

あえて家族に限らず、特に支援とかしなくてもいいから、ただ見守る大人の他人。どこかで道に迷ったり、立ち止まって動けなくなったら、声をかける、ちょっとだけ手を貸す、手に負えなければ児相とか別機関にお願いしても良いと思う。今の時代、核家族だし引越しも多いし貴重でしょうね。

 

私が滋賀に帰ってきたのが2006年でもう9年目になります。発達障害とかてんかんの外来をしてると長期で診てる子も多く、小1で発達障害に気付かれ苦労してた子がもうすぐ中学卒業だったり、挨拶もせずツンツンしてた思春期最中のてんかんの女子中学生が、愛想の良いしっかりしたお嬢さんになり、もうすぐお母さんになるなんてことになってます。そんな良い話ばかりでなく、親が自殺してしまった子も複数いたり、家にいられずに施設に入ったり、窃盗を繰り返し刑務所に入ってしまった子もいます。

 

考えてみたら9年も家族以外の大人に成長を見守られる子どもって、あんまりいないと思うんです。学校の先生は長くても3年くらいだろうし、習い事の先生も9年同じってそう無いですよね。私は自分がそういう存在になっていたこと、そして何もしてあげてこなかったことに最近まで気付きませんでした。

 

親だってそれぞれ色んな人生を送ってるんだから、子どもに集中出来ない時期や状況もあって当たり前。それが子どもが上手く行かなくなるのと重なったとしても非難されるべきじゃない。そういう時に、子どもにも親にも何か声をかけ、手を貸すことが出来たらなって思うようになりました。てんかんの発作を止めるだけじゃなくって。

 

病気になったのはうれしくない事だけど先生のところに通うようになって良かったな、と思ってもらいたいです。子どもにも家族にも。