栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

滋賀医大小児科のネットワークを少し自慢

こんばんわ。

滋賀県栗東市で平成27年春開業予定の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

今でこそ、大きな総合病院は自前で研修医を獲得し育てるところも増えてきましたが、多くの市中病院は、近隣の大学医学部医局から医師の派遣を受けています。医局からすると、そういう病院は関連病院として多ければ多いほど、大きければ大きいほど、その医局の規模や力を示すものになります。まるで戦国時代の国盗り合戦のようですね。

 

医局に属す医師は、支店間を渡り歩くように、関連病院を転々と異動させられます。学閥とか医局人事とか、あんまり良いイメージをもたれないでしょう?

 

でも、これ、患者さんにとってはとても良いシステムなのです。小児科は内科のように消化器、循環器、、、と細分化されずに全身を診る科ですが、どんなに優秀な小児科医でもすべての領域分野において専門知識を持つ医師はなかなかいませんので、時々困り果てることもあります。しかし、関連病院にいれば、自分の得意分野でない病気の患者さんが来たときでも、素早く他の関連病院(多くは大学病院)の専門医に相談して対応にあたれます。まるで一つの巨大医療機関のように連携をとって診療が行われるのです。ちなみに大学によっては領域により専門医がいないところもありますが、滋賀医大小児科はすべての領域の専門医がそろっています。

 

たとえば、私は現在滋賀医大で神経疾患を専門にやってますが、休日や夜間でも、長浜赤十字病院、済生会滋賀県病院、近江八幡総合医療センターなどの滋賀医大小児科関連病院で発生した、重症脳症や難治けいれんなどの難しい患者さんの治療に関して直に相談電話があり指示をします。必要あれば医大に搬送していただき直接診療にあたります。

 

もしこれが、病院どうしの連携が弱く独自で何とかしようとすると、難しい疾患に対する対応を間違えたり、遅れたりして、患者さんには不利益になります。

 

私は来年4月からは、このネットワークからは少し離れるわけですが、小さなクリニックでも何らかの形で関わっていけるモデルを目指していきたいと思っています。「開業するの?じゃ、サヨナラ!」じゃ、少しさみしいしってのもありますし。