栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

風邪に抗生剤、そして溶連菌感染

こんばんは。

平成27年春に開院予定の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

先日はRSウイルスが出てる話をしましたが、溶連菌感染もちらほら見ます。ていうかここ数年、年中、溶連菌はコンスタントにずっと見られるような。私が医者になった15年前頃はここまで見かけなかったと思います。当時でもう古い時代の病気のような扱いでした。

 

おそらく風邪に対してすぐに抗生剤を出さない先生が増えたからと思います。以前ならみんな抗生剤を出しまくってたので、どんな抗生剤にでも効く溶連菌は、典型的な症状(発疹、結膜炎、苺舌など)が出る前に治療されてたのではないかと。

 

これでは溶連菌感染の治療が遅れて良くないと思われそうですが、溶連菌は抗生剤がとても良く効くので1-2日遅れても大丈夫です。

 

また、溶連菌は腎臓に悪さするので、診断されたら良くなっても抗生剤を10日くらいしっかり飲み続けた後に、数日して尿検査で確認しないといけません。これは逆に言うと、ちゃんと診断される前に3日程度の抗生剤内服でなんとなく治ってしまうと、短期間の中途半端な治療になり尿検査の機会も逸します。

 

ということで、やっぱり風邪にすぐ抗生剤を飲むのは控えましょうって話でした。