栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

入院を強く勧める時は

こんばんは。

平成27年春に滋賀県栗東市に開院予定の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

小児科医が入院を強く勧める時って、特に時間帯とか関係なく緊急入院を勧める時って、どういう時と思われてるのでしょう?ずばり、このまま帰すと死ぬかもしれないな(助かっても重篤な後遺症を残す)って心配な時です。可能性として何%かと聞かれると医者それぞれと思いますが、私は5-10%以上くらいかな。脱水だったり、喘息発作だったり、敗血症や脳症が疑われたり、原因はいろいろありますが、脅しでも大袈裟でもなく、本当に死ぬことがあり得る病気はいくつかあります。

 

現場で実際に「死」って言葉は出しにくいので、かなりひどくなる可能性があるとしか言わないのですが、他の兄弟がいることや仕事の都合がつかないなどで入院を断られることがあります。「入院は絶対に出来ません」って。

 

そんなとき、事の重大性が伝わってるのだろうか?我が子が死ぬかもしれないという状況をリアルに感じられないのか?と思うことあります。「先生はそんなふうに言うけど、なんだかんだで大丈夫だろう、いざとなれば救急車呼べば助けてくれるだろう」とか思われてるんじゃないかと。どれだけ医学が進んでも、すべての病気を完全に制圧するなんて不可能です、完全に止まってしまった心臓を動かすことなど絶対に無理なのです。

 

頼むからこちらの言う通りにして欲しいと思う時の一つです。