栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

風邪薬について(咳止め)

こんにちは。

本年4月に滋賀県栗東市に開院予定の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

昨日に引き続き、風邪薬についてです。今日は咳止めです。なお、有名なホクナリンテープは咳止めになりますが、ちょっとカテゴリーが違うので今回は含みません。咳は基本的に気道(喉~気管~肺)の余計な痰を外に出して、きれいにする反応なので多少はあった方が良いものです。しばしば、必要以上に咳が出て、それで呼吸がしんどくなったり眠れなかったりするので、薬で止めに行くことがあります。

 

咳止めは主に脳の咳中枢に働きかけて、「気道に痰がたまる⇒咳で取り除く」の反応を鈍くさせます。大きく分けて麻薬性、非麻薬性に分類されてて、どう違うかっていうと詳しい話は難しいので、とりあえず麻薬性の方が作用は強いけど、副作用も強いという理解で良いと思います。まず普通の小児科医は子供には使いません。

 

麻薬性はリン酸コデイン(リンコデって言ってます)が有名、非麻薬性はアスベリンメジコン、アストミン、フスタゾールなどがよく使われます。非麻薬性の中でもそれぞれ特徴があってどれを使うかは好みのようです。我々のような末端のものは、病院が採用してある中から大人しく選びます。

 

で、ここからは個人的印象ですが、自分が風邪ひいたときに使うと非麻薬性は効いてるかどうかわからないレベルです。患者さんに使ってても、効いた!って実感できたことはありません。この程度なら、わざわざ去痰剤に混合させて、飲む量を増やしたり、脳への副作用を気にしたり、薬の待ち時間を増やしたりすることもないかなと思います。とはいえ、患者さんの中には診察後に、「あの~、咳があるって言ったのに咳止め入ってないんですけど」って戻ってこられる方もおられるので(去痰剤は咳にも効きますからと説明してても)、どうしても咳止めが薬に入ってないと気になる方には処方します。

 

先生によっては、咳を抑えて痰の排出を抑えるので有害と言い切る方もいますが、そこまで頑なに控えるほどのものではないとも思っています。結論としては、私は基本的にはあまり出しません。