こんばんは。
本年4月に滋賀県栗東市に開院予定の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。
開院スタッフ募集の問い合わせが続いていて嬉しい限りです。引き続きよろしくお願いします。本ホームページのお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせ下さい。
さて、昨日の続きで抗ヒスタミン剤について。後日書くとか言って、翌日書いてます。別にネタ切れしてるわけじゃないですからね!(笑)あんまり間が空くと熱が冷めてしまいますから早いうちに書いときたかったのです。
ヒスタミンとは体内のあちこちに存在して、いろんな作用を起こす生理活性物質で、、、。分かりにくいですね、何と言ったら良いのでしょう?とにかく有名な話として、アレルギー症状(アトピー、喘息、じんましん、花粉症など)を引き起こす、もうアレルギー業界では悪の権化みたいな扱いされてます。しかし、脳内では睡眠覚醒や食欲を調節したり、記憶や学習脳力の発達に関わったりとむしろ良いことやってくれてます。特に発熱時など脳はけいれんしやすい状態になってるのですが、ヒスタミンはそれを抑える作用があります。
風邪をひいて熱が出た時に、しっかりけいれんしないようにしてくれてる作用を、抗ヒスタミン剤は邪魔してしまうというわけです。これは動物実験ではしっかり証明されてます。ヒトでは直接けいれんしやすいことを示す研究結果はありませんが、けいれんを長引かせたり、熱が出てからけいれんが起きるまでの時間を短くするといった研究結果は複数報告されています。
熱が出たら中止すれば良いという意見もありますが、熱性けいれんは熱が上がってすぐに発生することが多いのを知ってればナンセンスな考えです。熱に気付いた時点で、飲んでしまった抗ヒスタミン剤を身体から抜くことが出来ませんからね。
なお、昨日も断ったように、第2世代と呼ばれる抗ヒスタミン剤は脳への移行が少ない(特にアレグラ、アレジオン、エバステルあたり)ので比較的安心して使えます。ただしカゼ(急性上気道炎、気管支炎など)の病名では適応になってないので、なかなか処方は出来ません。