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栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

五苓散→ナウゼリンの2段構えが良いと思うのですが

こんばんは。

本年4月に滋賀県栗東市に開院予定の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

インフルエンザがだいぶ下火になってきてるようですね。例年なら、これからはB型が出てくるのと、胃腸炎が流行ってくるのでしょうか。今日はその胃腸炎、そして一部で楽しみにしていただいてるらしい漢方の話。

 

一般には葛根湯ほど馴染みが無いかもしれませんが、五苓散(ゴレイサン)という小児科医の中ではかなり有名な薬があります。虚証実証関係なく使える数少ない漢方薬の一つです。主に胃腸炎の時の吐き止めとして使いますが、頭痛とか皮膚の水ぶくれを伴う疾患(水ぼうそう、水いぼなど)でも使われます。一見、嘔吐と頭痛と皮膚の水ぶくれって関係なさそうですが、すべて体の水の動きの異常からくる病態です。嘔吐と水ぶくれはわかりますよね、頭痛は種類にもよりますけど脳が軽くむくんでる(腫れてる)状態のことがあり、それを解消します。頭痛と嘔吐といえば、そう二日酔いにも良いらしいです(私は飲まないのでわかりませんが)。ちなみに利尿作用もあり、腎炎でよく使われる柴苓湯(サイレイトウ)は、この五苓散と小柴胡湯(ショウサイコトウ)の合剤だったります。胃腸炎のときに利尿剤を飲んだら余計に脱水になっちゃいそうですが、この子たちはとてもお利口でして、必要なときは利尿するけど、脱水で利尿しちゃいけないときはしないんです。あと下痢には効かないようです、なぜなのでしょうね。

 

で、使い方ですが、口渇を伴う嘔吐によく効きます。よく吐いた後に飲みたがる状態になる子がいますよね、それで飲んでまた吐くっていう。そういう状況にぴったりなのです。飲む元気も無いような状態には効きにくいですね。飲むならお湯じゃなくて水が良いそうです、氷水が最高との話もありますが、まあそこまでしなくても良いと思います。小さい子にはお湯に溶いて、浣腸みたく肛門から入れること(注腸)も出来ます。

 

経験的には、連続して吐いてる子が五苓散を飲むと、1回は薬もろとも嘔吐しますが、それ以後は止まることが多い気がします。だから、内服後1回嘔吐したからといって効いてないと思って、点滴してくれってあわてて再診しないでくださいね。そのまま嘔吐しないかもしれないですから。

 

私的には、嘔吐で受診されたら、家庭ではやりにくいであろう五苓散の注腸をして、それで嘔吐が続くようなら自宅でナウゼリン坐薬を使えるように渡しておくやり方が良いんじゃないかと思ってます。今でも外勤先や休日診療所でやってみたいのですが、そういう個性的なことをするとスタッフに面倒なやつと思われそうなので、最初っからナウゼリンを入れてもらってます。栗東よしおか小児科ではやるつもりですよ!