栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

第7回ワクチン勉強会(ヒブ編)

こんばんは。

滋賀県栗東市に4月16日に開院予定の「栗東よしおか小児科」です。

 

今日、午前に保健所に開設届を、午後に厚生局に保険診療機関指定申請に行ってきました。めっちゃ緊張しました、これを受理してもらわないと開院も何もありません。

 

これで最近の懸念事項が一つ減ったところで、勉強会再開です。B型肝炎、肺炎球菌と来たのでもちろんヒブです。インフルエンザ桿菌b型(Haemophilus influenzae typeb)のことなんですけど、いつからかヒブ(Hib)という呼び方が浸透してました。まあ、いちいちあのインフルエンザウイルスとは無関係であることを説明しなくてよくなったのは、良かったのですが。

 

この方々も細菌性髄膜炎の主要菌、先日の肺炎球菌より頻度は多いです。入院施設を持つ地域の基幹病院くらいで年間数例は来ていたのですが、定期接種化してから全く見かけません。なんと96%減だそうです。そりゃ見かけなくなりますよね、若手の先生たちが経験できなくてかわいそうなくらい。アンチウイルス派に見たかと言ってやりたいです。

 

1歳前後くらいが多かったですね、細菌性髄膜炎は絶対見逃してはいけない病気として有名ですが、けっこう見過ごします。初めは突発性発疹とか胃腸炎による嘔吐とかに見えることも。大人のように頭痛を訴えてくれれば間違えないのですが、そこが小児科の難しいところです。慌てて抗生剤だけ入れるんじゃなくて、一緒にステロイドを入れとかないと、回復期に頭の中に水たまりが出来て、それが原因で薬が効いてても熱が出たりして、悩ましいこともしばしば。難聴とか後遺症も多いし。無くなって良かった。

 

髄膜炎だけでなく喉頭蓋炎も多いです。文字通り声帯の蓋のところが腫れます。クループの超ひどい版みたいな症状で窒息することもあります。本当に無くなって良かった。

 

いやいや油断できません。0になったわけではないですから。しっかりワクチンで予防しましょう。2か月になってから4週毎に3回、次は概ね1年後に4回目(1歳になってちょっとしたら)。肺炎球菌ワクチンと似ていて、7か月以後から始めると3回まで(2回目まで4週間、その後概ね1年後)、1歳過ぎると1回のみです、5歳以上は打てません。ややこしいですね。みなさん2か月のうちに接種開始しましょう。