栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

小児科診療所における看護師の役割とモチベーション

こんばんは。

滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

最近忘れてましたが、まだまだ看護師募集継続中です。今夜はそれに関してです。

 

診療所の看護師業務ってただ来る患者さんを呼び入れて、診察の介助をして、たまに採血とか検査をしたりといった、何か単純作業のようなイメージを持たれてないでしょうか。私も正直開院前まではそう思ってました。だから、病棟で長期入院患者さんの心のケアや家族のサポートだったり、ICUや手術部、救急外来などで重症患者さんの救命に携わり、日夜研究や訓練を重ねている看護師さんたちからすると、診療所勤務なんて退屈なんじゃないかと思われている気がします。

 

実際に診療所を開始してみると、看護師の役割を想像していたよりずっとたくさんありました。まず診察時は医師が病気や治療の説明をしますが、どんなに頑張っても足りない部分が出てきます。例えば、解熱剤なら、38.5℃が目安で、6時間はあけること、元気なら無理に解熱は必要ないことなど説明しますが、坐薬を入れる時には水やローションでヌルヌルにして入れると痛がらないことや、肛門に入れてからしばらく押さえておかないと出てきてしまうことがあることなど、そういった細かいことまでは話せないことがありますから、それを看護師さんが後から補完するのはとても大切です。また実際に患者さんによって、薬の使い方の不安、夜に悪化したときの不安、家族に診てくれるひとがいないことの不安など、様々なので、患者さんに応じて不安を引き出して助言する看護師の役目は重要でした(女性どうしの方が共感しやすいみたいですし)。

 

また、小児科診療所では喘息やアトピーといった慢性疾患が多いです。すごく実感してることとして、これらのアレルギーの治療は何の薬をどれだけ処方するかなどより、いかに医療側が依頼する治療を患者さんが実行してくれるかどうかが治療の成功には重要でした。フルタイドかキュバールかなどはっきり言ってどっちでも良くて、重要さを理解して症状があるときも無いときも忘れずに毎日吸入をしてくれるかにかかってるし、ボアラかプロトピックか悩むより、毎日十分量を塗り続けないと治らないことを理解して実行してもらうことの方がずっと大切なのです。医者から説明する方が納得してもらえることもあれば、看護師が実際にステロイドに対する不安や疑問に答えながらの説明で納得される方も多いです(医者には直接質問しにくいことも多いようですし)。

 

私からステロイド治療や予防接種を勧めても拒否的だった患者さんが、後から看護師の説明を聞いて、やっぱり治療や接種を希望されることもしばしばあります。診療所における治療は医師だけでなく、看護師の直接的な指導やカウンセリング的な対応も大きな要素になっています。

 

というわけで、勤務いただくことになれば喘息やアトピーの治療や、予防接種についてはかなり勉強していただくことになりますが、自分の説明で患者さんの不安が取れたり、治療が上手く行ったり、迷っていた予防接種をしてくれたりを経験されるとモチベーションも上がると思います。なお、てんかん発達障害の説明やアドバイスはかなり専門的で難しいので、今のスタッフもほとんどしてませんし、そこまでは求めていませんのでご心配なく。

 

それでは、子ども好きで熱意のある看護師さんの応募をお待ちしております!!!