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栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

集団生活のスタートの前に①(おたふくかぜワクチン)

ワクチン勉強会 おたふくかせワクチン

こんばんは。

滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

こないだ年を越したと思っていたら、もう2月も半ばに入りました。花粉症の症状がすでに出始めてる方もおられるようで、もうすぐ春ですね。ということで、春から新たに就園、入学などで集団生活が始まる方にお勧めしたいワクチンを挙げていこうと思います。第一弾はおたふくかぜワクチン。

 

ちょっと地味な印象ですよね、なぜでしょう?かかっても入院するほどひどくはならないし、命が奪われたり、寝たきりになるような後遺症を残す合併症もほとんどないですしね。

 

でも、罹患者の100人に1人ちょっとくらいは髄膜炎を起こします。けっこう頭痛がひどいので食べられなくなって入院する方もいます。この髄膜炎はヒブや肺炎球菌ワクチンで乳児が予防してる細菌性髄膜炎とは全く違いまして、おたふく髄膜炎で死ぬことはありませんし、そのうち治ります(一応脳炎の報告もまれながらあるので、そうなったら麻痺や知的障害てんかんなど後遺症が残る可能性もあります)。また、思春期以降の男性は3割くらいで精巣炎を合併します、これも痛いらしいです。それでタマは萎縮して精子数も減るけど不妊になるほどではないようです。

 

そして一番の問題は1000人に1人くらいで合併する高度の難聴です。片側のこともあれば両側のこともあるようです。難聴というものをどう捉えるか?他のワクチンが予防してる病気の合併症は命に関わるものや、寝たきりになるほどの後遺症を残すようなものが多いです。それを考えると難聴くらいどうってことないと思われるでしょうか?いやいや、難聴も十分重度の合併症でしょう。

 

開業以来、コンスタントにおたふくかぜの患者さんは受診されています。やはり地味~に流行が続いているようですね。ご家族にワクチン接種歴を聞いても、1回でも接種したかどうかが思い出せない方が多いです。どこまで存在感が無いんだって話ですね。接種は1歳になってすぐに1回目、小学校入学前に2回目というのが現在勧められています。就園前などで1回も未接種ならば急いで、既に小学校に入学してる方も2回目を忘れていたらぜひ接種した方が良いと思います。命に関わらないとはいえ、聴覚も守ってあげたいですよね。