栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

「ワクチンなんかに頼らず、自然に感染するのが一番よね~」とか言っているあなたの子どもがまき散らしたウイルスに、いつも怯えながら生活している病気の子は、あなたが思っている以上に周りにたくさんいることを知って欲しい

こんばんは。

滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

3月も半ばに入ろうという時期に、医院の所在する学区の幼稚園、小学校でインフルエンザの学級閉鎖が出ています。この辺はこのまま流行らずに行くんかと思いきや、甘くないですね。手洗いや掃除などの予防は大切ですが、インフルエンザの感染力はとても強いので、かかるときにはかかります。

 

そして3月というと就園前健診の時期で、私も園医をしている幼稚園の健診をしてきました。その中に何名かは持病があって免疫抑制剤を続けている子もいました。免疫抑制剤を飲んでいる子なんて、ごくごく稀だと思っていませんか?臓器移植したような子ぐらいとか思っていませんか?免疫抑制剤ってかなり多くの小児慢性疾患に使われているんですよ、ステロイド内服まで含めるとクラスに1~2人以上は普通におられます。患者さん自身や家族はわかっているんだけど、いちいち学校や幼稚園の保護者のみんなに病気を公表して訴えることなんてしたくありません。だから、そういうことはあまり知られてないようです。下手すりゃ園の先生たちもわかってない。

 

免疫抑制剤を使っている子は、ワクチンを接種したくても出来ません。そして、そのウイルスに感染を受けると命にかかわるほど重症化することがあります。ワクチンで防げるはずのウイルスに怯え、苦しめられるのです。「やっぱりワクチンなんかに頼らず、自然に感染するのが一番よね~」とか言っている保護者の子どもがまき散らしたウイルスで!

 

アンチワクチンの方にも、何となく接種するのを忘れている方にも、よく知っておいて欲しいと思います。さしあたり、お願いだから水痘ワクチンは打って入園してください!