栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

不安だろうと何だろうと親として決断しないといけません(ワクチン接種をするのもしないのも不安だという方へ)

こんばんは。栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

書けるときになるべく書こうということで本日二度目の更新です。アンチワクチンなんて言って、すべてのワクチンを打たない主義の方たちが声を挙げていて、ネット上ではよく見かけるのですが、実際にすべてのワクチンを否定している方はそれほど多くは見られません。ワクチンデビューの2か月時なら、任意(有料)のB型肝炎ロタウイルスワクチンを大枚はたいてでも接種する意味があるかで迷われる方はしばしばおられますが、定期(無料)のヒブ、肺炎球菌まで拒否される方はほとんど見かけません。任意ワクチンのコストパフォーマンスの話だけなら、接種せずに感染して重症化したときの身体的、精神的、経済的損失の方がずっとずーーーーーーーーっと大きいので、迷わず接種した方が良いです。高いかもしれないけど、お父さんが飲みに行くのを、お母さんが美容院に行くのを何回か控えるだけで捻出できる額ですよ。

 

今回書きたいのは、本当にワクチン全般が不安で接種しない人に関してです。先日、ある匿名の方からブログのコメント欄へ投稿いただきました。3歳の子がいて、ワクチンは副反応が不安で全然接種してないそうで、健診で虐待親呼ばわりされて憤慨されていると。それで、そもそもワクチンを安心して接種できないのは医療に不信があるからだと、医者たちの説明不足だと。真面目に返答しようと思いましたが、よく読むと我々への攻撃的な内容になっていたので無視しました(当ブログのコメント欄は承認制なので私が承認しないとアップされません)。ネット上で匿名の方と議論しようと思いませんので。

 

ワクチンだけの話ではないですが、すべての医療行為にはメリット、デメリットがあり、ごくごく少なくても全くリスクがないということはあり得ません。どんなに低確率でも不安を感じるということはわかります。そんなら打たなきゃ良いんじゃないって言われても、それはそれで打たずに感染するのも不安なんですよね。人は不安が高じると、それは怒りに変わり攻撃的になります。そして医療の場合、しばしば医療提供側の説明不足という訴えになります。ワクチンに関して0%に限りなく近い重篤な副反応に対する不安を無くすことなんて、どんなに説明したって不可能です。

 

医者が説明してくれなくても、ご自身でネットでも書籍でも、公的機関や病院、製薬会社などからの情報でいくらでも調べることが出来ます。医療が悪い、国が悪いっていくら攻撃しても、あなたの子どもの問題です。どんなに不安だろう何だろうと、大人として親として決断しなきゃいけないときは決断しないといけません。それで十分考えた上で接種しないという道を選ぶなら、それはそれで我々は尊重するしかないのかなと思っています(病気をばらまかないで欲しいってのはありますけど)。