栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

ロタワクチンを受け無かったことをちゃんと後悔して欲しい

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

かなり久しぶりの更新になってしまいました、すいません。小児科繁忙期ですからね、という言い訳しておきます。この間、インフルエンザはいまだに多いし、近所の保育園ではロタ腸炎が流行してました。これからはインフルB型が増えてきそうですね。

 

ロタ腸炎で来られる方はやはりワクチンを受けている方は症状軽いです。私の中での分類では、重症ってのは脳症で寝たきりになったり、腎不全、心不全になって集中治療室で生死の境をさまよったりっていうのであり、数日下痢嘔吐で苦しんでぐったりしたり、脱水で入院したりのレベルくらいは軽症と思っています。でも今流行のワクチン済みのロタ腸炎は、ちょっと白っぽい下痢が続いてるけど元気で食欲もあるっていう程度の一般的にも十分軽症と感じられるものが多いようです。

 

以前書いたことがありますが、ノロ腸炎だと嘔吐が止まって下痢主体になると大概そのまま良くなって行くのですが、ロタは下痢だけでもダラダラ続いて脱水になっちゃいます。だから油断出来ない、怖いんです。脱水になっても点滴すれば治るとか思われるかもしれませんが、ウイルスをなめてはいけません。ウイルスは身体中の臓器機能を破綻させ、血管はボロボロになって、いくら点滴したって穴の空いたバケツに水を入れてるだけになり、漏れた水で顔も体もパンパンに腫れて死んで行くんです。

 

病初期に来られたロタ腸炎の方にはワクチンを受けてるか確認して、未接種の方には正直に怖い話しをしますし、もしワクチン接種してたら随分安心して見ていれたのにねって話をします。

 

はい、親を責めています、過ぎたことを言っても仕方ないのにね。ひどい小児科医と思われるかもしれません。ワクチンデビューの時にあれだけロタワクチンも勧めたのにっていう医療者としての気持ちがあるのも正直なところです。しかし何より、ちゃんと後悔してこれから生まれる弟妹はもちろん、これから親になる親戚友人に接種を勧めて欲しいのです。そして怖いウイルスはロタだけではありません、麻疹風疹、水痘、おたふく、インフルエンザと本気出されたら人類には勝ち目のないウイルスに対するワクチンを、今後は確実に接種して行ってくれることを願っているのです。