こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。
下のリンクのように久しぶりに子宮頚がんワクチンの記事がありました。子宮頚がんワクチンに関して、私は基本的に慎重派です(反対派ではない)。そう言うとかっこ良く聞こえますけど、要するに怖くて接種出来ないというヘタレ小児科医です。
ワクチンの副反応とされている患者さんのほとんどは心因性であって全く接種に問題は無いという主張は少しわかります。確かに全報告数のうちの多くが頭痛とかめまいとかっていう、まあ思春期女子によくある不定愁訴の子たちかなという患者さんのようですが、不随意運動(体が勝手に動く)や知能障害、歩行障害など示す患者さんは、思春期によくある症状とはとても思えない。
やっぱり私はこのワクチンには何かあるんじゃないかと思ってしまうんです。けれども冷静にそういった重篤な副反応かもしれない症状が出現するリスクと、子宮頚がんを発症するリスクを天秤にかけると、誰がどこから見ても子宮頚がんワクチンは接種すべきなのです。
数年待てば何かわかるかな、私のこの不安が解消するかな(他力本願ですいません)と思い、接種を特に勧めることなく時間を過ごしました。でも何も進展しないし、推進派と反対派の醜いディスりあいが続いているだけです。
上述のようにリスク(確率)を冷静に判断して、そろそろ勇気をだして接種を拡げていく時期が来ているのかなと思うようになってきました。私たち医療者は自分の感覚だけでなく客観的データも合わせて総合的に判断して、子どもたちの将来も含めた健康を守る義務があるのですから。