栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

育休明けに保育園に入れないといけないなら、それまでにツルツル肌にしておきましょう

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

先日、1歳半健診に行った際にひどいアトピー性皮膚炎の子がいました。「この湿疹はどう(治療)してますか?」と聞いたところ、「県外の小児科に行ってる」「これでも治ってきている」「ステロイドはもちろん何も塗ってない」と。この段階ですでにお母さんの答え方が臨戦態勢に入っていました、何度もいろんな人に言われているんでしょうね。健診の場なので戦う時間もないけれど、「ステロイドをしっかり使えば治りますよ」と言ったところ、「でも(完全に)治ることはないですよね」と完全に攻撃態勢になってきたので、ここで終了。

 

本当は「完全に治りますよ」と答えたかったんです。1歳半でまだ保育園に行ってなければ、ほぼ確実に治せる。

 

アトピー(乳児湿疹含めて)の治療は「ステロイドをしっかり塗って少しずつ減らす」ただそれだけ。あとは痒みに対して内服併用したり、薬を減らすときに再発しないようにスキンケアをしたり、が加わる程度です。上手く行くかどうかは保護者の塗り方と、治療を継続できるかです。上で保育園に行ってなければと述べたのは、保育園や幼稚園、小学校などに行き始めると、その時間帯に薬をぬったり、スキンケアが出来なくなるからです。だから、全部の時間を保護者と一緒にいてるのであれば自信たっぷりに治りますよと言えますが、離れている時間が多くなるにつれ治療は難しくなることがあります。

 

でも育休期間が終わったら保育園に預けて働かないといけないお母さんも多いと思います。それならば、せめてその時までに丈夫な皮膚にしておきましょう。丈夫な皮膚とは湿疹がなく完全なバリア機能を持った皮膚のことです。入園時点でそのくらいのツルツル肌にしておけば、保育園で多少ダメージを受けても、夜と朝のケアだけで皮膚の良い状態を維持できる可能性が高いです。

 

育休明けに保育園に預ける予定なら、1歳未満の乳児のうちにしっかり湿疹を治療しておきましょう。時期は早ければ早いほど良いです、1か月未満でも湿疹かなと思ったら受診しましょう。必ず治りますからね。