栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

インフルエンザの治癒証明は無意味です

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。まだまだ、まだまだ看護師、医療事務、脳波技師を募集中です。

 

インフルエンザ騒動を振り返って。といっても、まだ結構おられるんですが、一時の殺到ぶりは落ち着いてきました。いろいろ思う事があったので、書いてみたいと思います。

 

まず、インフルエンザの患者さんも多かったですが、そうでない患者さんも多かった。普段ならこのくらいのカゼ症状なら受診しないであろう小中学生まで、念のため検査してもらえって言われて来られてました。当院では待合室は感染と非感染で分離してますが、感染待合でそれぞれの感染症の種類ごとに来院時から分離することなど不可能ですから、念のために受診して何かのウイルスに感染して帰ることになる可能性もあります。インフルエンザもカゼのうち。軽ければ部屋でゆっくり休んでいるのが一番です。

 

ふだんめったに来られない女子中学生が来院されるので、インフルエンザでふーふー言ってるのを尻目に、子宮頸がんワクチンを勧めることが出来ました。といっても、超絶忙しかったのでちょっとだけ話して、あとは私のオリジナルの子宮頸がんワクチンを勧める資料をお渡ししたんですけど。

 

改めて迷惑だったのは登校(園)開始のための治癒証明。そこかしこで既に言われてますが本当に無意味。水痘のように皮膚の状態を治癒基準にしているならわかりますが、インフルエンザの登校停止期間は発症日(発熱日)翌日から数えて5日かつ解熱した翌日から2日(幼児は3日)以上経過していることです。ですから、患者さんの自己申告をもとに我々は日数を数えるだけです。患者さんがウソついててもわかりません。ちょっと考えれば無意味であることくらいわかりそうなものなのに。別に忙しくないときなら良いですよ、すぐに終わりますから。でも、患者さんが多すぎて定数に達したらお断りせざる得ない状況で、治癒証明依頼目的の受診のために本当に診てあげないといけない患者さんが診れなくなるし、患者さん自身も無駄な受診のためにまた別の感染をもらうことだってあるのです。

 

実際、治癒証明を受診させてもらって来させる学校(園)は少数派ですが、意外と有名私立中学とかに多いです。通ってる子どもは賢いのに、学校自体はあまり賢くないようですね。