栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

電子おくすり手帳は無くなって欲しい

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

看護師、医療事務ともに募集中です!よろしくお願いします!

 

私が今、世の中から無くなって欲しい3つのものは「戦争」「いじめ」、そしてもう一つが、、、

 

「電子おくすり手帳」です!

 

ご存知の通り、お薬手帳は処方された薬の内容を記録していくもので、多くは薄い小さな手帳に薬局で処方内容が印刷されたシールを貼ってくれます。帰省先でいつもと違う病院にかかったり、持病で継続して内服している薬があったり、他科受診した際に薬を処方されたりと、そういうときに受診された方がどういう治療をされているか、してきたかを確認するためにとても重要な情報の記録です。当院受診時に他院処方分があるときは、その手帳を先に受付でお預かりして診察前に確認します。最近はジェネリック薬品など聞きなれない名前の薬も多く前もって調べておいたり、多種の薬のときはカルテにも診察に先立って記録しておきます。

 

これが電子おくすり手帳では一切出来ません。保護者がスマホにアプリを入れていれば見れますが、スマホだけを預かって中を見ることも出来ないので、やむえず診察中に見せてもらい確認します。わからない薬だと調べないといけないし、とても時間のロスになります。ひどいときはスマホで見ることさえ出来ずカードしかなくて全くわからないことも。

 

カードリーダーがあれば見れるそうですが、そんなもんあるかっちゅうねん。よく知りませんが、連携して入力される電子カルテもあるのでしょうか。まだ紙カルテの診療所もあるというのに、そんなごくごく一部の医療機関でしか使えないようなもの導入して誰の得?

 

多分、それほど頻繁に病院を受診しない大人の患者さんなどが、紙の手帳だと忘れてしまうところを、カードやアプリで管理すれば忘れにくく記録閲覧できるのがメリットなんでしょう。でも小児科はみなさん母子手帳や乳児医療証などセットで持ち歩いておられるので、おくすり手帳だけを忘れることはめったにありません。薬局だって対応してないところも多いでしょう。

 

とかくペーパーレス化を目指すときは、電子カルテも検査結果記録などもそうですが、最初は不便を感じるものです。しかし、電子おくすり手帳はペーパーレスになったところでそれほどのメリットがあるようにも思えず、現状の治療上の不利益が多過ぎて。大金はたいて導入した薬局さんには申し訳ありませんが出来れば無くなって欲しいです。