栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

卵白を始めるのを遅れないようにしましょう

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。看護師、医療事務、脳波技師とも随時募集中です。

 

最近、離乳食を進めるのが遅い方、特に卵を始めるのが遅い、もしくは卵黄しか進めてない方が多いのが気になっています。理由を聞くとアレルギーが怖いからと。これ全く反対です。鶏卵アレルギーの発症は、早く開始するほど少なくなることが研究で証明されています(以下のリンク先参照)。卵黄だけは何も始めてないよりましでしょうが、卵黄はほとんど抗原性(アレルギーを引き起こす要因)がないので発症予防という意味ではあまり意味がないのです。

離乳期早期の鶏卵摂取は鶏卵アレルギー発症を予防することを発見(成育医療センター)

 

卵白は早いと5か月から開始を勧める意見もあります、せめて6か月から離乳食を開始して時間をおかずに卵白(20分以上の固ゆでで)を開始して、1歳までに卵1/2個くらいを目標に進めていきましょう(10年以上前に出た厚生労働省の離乳食ガイドラインでは鶏卵は7-8か月から開始になっていますが、それでは少し遅過ぎなので次の改定で訂正されるとのうわさです)。なお、何も症状が無いのに離乳食開始前にアレルギー検査をするのは無意味どころか有害なので止めましょう。アレルギーの数値が高くても食べられている可能性が十分あるのに、お母さんが数値を見て怖くなり該当食品を与えられずに何年も経過している例をよく見かけます。

 

もしすでに離乳食時期にアレルギー検査をされている方は、今後の対応について具体的に詳細に医師に相談しましょう。〇を1日〇グラム食べるようにして、〇(日or週or月)間隔で増量していくのか?必要ならいつ頃に負荷試験など行うか?などと。いろんなものを食べれるようになる離乳期を大切に過ごしましょう。