栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

暴力やいじめに対する羞恥心を育む

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

東須磨小学校の教師どうしのいじめ映像が連日テレビで流されました。本当に最低という以外の言葉が見つからないですね。それはもう他のたくさんの人が思ってることなので改めて私が書きたいことではありません。気になったのはSNS界隈で、あの映像が何度も流れるて見せられることが苦痛で止めて欲しいという意見が多数みられたことです。

 

自分が当事者ではないけど、他人がいじめられたり暴力をうけることを見聞きするだけでも、当事者と同等以上に気分が悪くなる人がいます。正直言って私は生涯において人をいじめたこともいじめられたことも経験してる平凡な人間でそういう感覚はピンとこないのですが、確かに子どもにも多いです。その感覚をどう表現するかというと、「繊細」とかいう軟弱な感じともまた違う気がします。脳のミラーニューロンが発達していて被害者に強い共感を感じてしまう?まあ、それもあるかもですがそれだけでは説明がつかないような。ある小児科医が「暴力やいじめに対する羞恥心」という表現をされていて、それが一番近いのかなと思いました。なるほど人が暴力やいじめを自制するのは、愛と勇気と正義感よりも、その行為に対する羞恥心なのではと思うようになりました。ちなみにその先生は体罰を受けているとその羞恥心が育たないって言われてました。

 

学生のとき、私が家庭教師をしていた中学生があるときから不登校になりました。いじめにでもあってるのかと思いきや、他の同級生間のいじめを見るのが辛くて行けなくなったのでした。お母さんは涙しながら私の育て方が悪かったと言われてました。今ならそのときのお母さんに言ってあげたいです、むしろ育て方が良かったからそういう気持ちになれる子になったんですよ、と。