栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

注射が苦手だっていうだけですから

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

インフルエンザそのものはパラパラ程度にしか出ていませんが、ワクチン接種はピークぐらいでしょうか。今年は有難いことにワクチン在庫自体に余裕があって、どれだけ接種出来るかは我々の時間と気力体力しだいになっております。少なくともよく当院を利用されるかかりつけの方には、希望されれば接種できる状況にはあります。

 

で、注射が好きな子はほとんどおりませんが、反応はそれぞれで興味深いですね。3歳くらいでも泣かずにじっとしていられる子もいれば、小学生高学年でも大暴れで大人3~4人がかりで押さえつけないと出来ない子もいます。小学生にもなって泣いて暴れてると、保護者さんは本当に申し訳なく思っておられて、子に対しては情けなく感じておられるのがよくわかることがあります。

 

でも、こればっかりは注射(尖った針が体に刺さること)に対する恐怖や感覚からくるものなので個人差が大きいです。高所恐怖症の人がいれば、ホラー映画や心霊写真を異常に怖がる人もいるでしょう。これはある程度は生まれ持った感覚なので、気合いや根性をもってしても子どもによってはどうにも出来なかったりします。直前になって暴れてしまったり、泣かないで頑張るつもりが涙が出てしまっても仕方ありません。涙なんて勝手に溢れてくるものですしね。

 

今はプレパレーションといって前もって注射など医療行為の内容と必要性を子どもに言って聞かせておく方法が勧められており、当院にも待合に資材を置いてますが、それが上手く行く子もいれば、単に恐怖に怯える時間が長くなっただけになってる子もいます。無理にプレパレーションしなくても、何も言わずに連れてきてさっさと終わるのでも個人的には良いと思います。そんなくらいで将来に影響を及ぼすような親子の信頼関係の崩壊には至らないですよ(病院嫌いにはなりそうだけどw)。

 

注射のときにどれだけ子どもが暴れようが逃げようが叫ぼうが、我々は全然気にしないし慣れたものですし、保護者の方も気にしないでください。で、どんな形で終わったとしても痛みを感じて頑張ったことには違いないので、終わったあとは褒めてあげて欲しいと思います。

 

とはいえ、病気になってどうしても検査治療で注射が必要なことはあるので、大人でも抑えられないくらい体が大きくなる中学生くらいまでにじっと出来るようになれば良いですね。