栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

今の状況で集団の3歳時健診に行きたくないって方へ、これだけとりあえず確認しておいてって話

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

緊急事態宣言は出したのに休業要請は出さないっていうのに、何か既視感を感じて何かと思ったら、子宮頚がんワクチンは定期接種だけど積極的勧奨はしないっていうあれでした。この国の政治の体質なんでしょうか。いろんなお店が休業しようがしまいが、そこに客としてみんなが行かなければそれだけ感染は防げるのだから、今週末はstay at homeで。

 

そして乳幼児集団健診を今だけは避けたい方にお伝えしたいシリーズです、今回で最後になります、3歳時健診です。この健診のポイントはこれを最後にしばらく健診がないことです。幼稚園保育園でも簡単な内科健診はありますがごく簡単なものですし、小学校での健診まで異常を指摘される機会が無いかもしれません。そういう意味では診る方は結構気を遣います。

 

まず3歳でもやはり身長、体重、頭囲です。特に身長については栄養だけでなくホルモンが関わってくるので、極端な低身長や高身長は注意が必要です。身長を測れるところがあれば健診に行かないにしても確認するのを勧めます。ホルモンの病気(内分泌系)は治療法があることが多いですし、まれに腫瘍性の病気もあります。成長曲線の正常範囲から離れて行く身長経過(大きすぎても小さすぎても)であれば早めにかかりつけで相談するのが良いと思います。

 

あと視力、聴力、尿検査といったところも。これ以後しばらく検査の機会がないということから、多少遅れたとしても必ず健診には行って検査は受けるようにしましょう。見えてるようで見えてない、聞こえてるようで聞こえてないってことはしばしばあります。尿検査で発見される腎臓の病気は、実際の生活の中で気付く症状になる段階ではかなり進行しているかもしれません。

 

 精神(知能、言葉など)発達や運動発達もこの段階ではチェックが必要です。発達障害によっては症状がわかりやすく出てくるのもこの頃です。この後、就学まで健診がないという点で、入学までの間に適切な環境調整をするために、問題を抱えている子が放置されることがないようにしないといけません。

 

つまり、3歳時健診は家庭でチェック出来るのは身長体重くらいで、他のチェックポイントは専門的な診察検査が必要でかつ重要なものが多いです。緊急なものはあまりありませんが、そのまま健診に行かないままにならないように、数ヶ月遅れても必ず受けるようにしてください。