栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

診療日も診療時間とも縮小せずに突き進むので、密集状態回避にご協力ください。

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

新型コロナウイルス流行の悪化に伴い、県内でも医療崩壊の心配が取り沙汰されているなか、私は一般診療は比較的余裕があり、休日にいつもあるような学会や会議は軒並み中止延期になってるので、心苦しく日々を過ごしています。

 

コロナ以外の病気たちが空気読んで自粛してくれるわけでもないので、いつも通り体調を崩す子はいますし、慢性疾患の管理も必要なので、他の業種のように休業するわけにもいきません。全体として来院患者数は減っているので診療日、時間を減らしているクリニックもありますし、感染対策をかねて感染患者と非感染患者を診療受付時間帯を分けるようにしてるところも多いようです。

 

うちも少し考えたのですが、現在患者数が減ることで、皮肉な結果なのですが待合室の密集状態が避けらるという良い影響も出ています。時間数を狭めると短い時間に患者さんが集中し密集状態になり得ますから、当面このままの診療時間でいこうと思っています。感染、非感染と診察時間帯を分けるのも、感染症状が無くても新型コロナに関しては感染力を有している可能性もある(発症3日前から!)とのことで、そこまでの意味はないかと考え、現状の2つの待合を使って分けるのみで時間帯を区切ることはしないことにしました。

 

とにもかくにも、待合での密集状態を極力回避したいので診察時は、出来るだけ付き添い家族は少なめにお願いいたします。ご希望があれば駐車場の車内でお待ちいただくのでも構いません。また、お子さん(どうしても嫌がる乳幼児を除いて)を含めて原則マスクをして来院してください。ご協力のほど、お願いいたします。

 

可能性の低いリスクに振り回されないでほしい

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

県内にもコロナが急増していて小児例も見られるようになりました。ついには昨日、隣の市に保育園児に陽性者が確認されました。

 

以前から隣市である事業所でもクラスターが起きていて、その事業所に勤めていた方(陽性者や濃厚摂食者ではない)の子どもと同じ保育園の方が、コロナが心配ということで受診されたりしています。それだけ離れていたら、あまりそこからの感染は考えにくいのですが、心配になってしまうようですね。

 

ウイルスによって多少の違いはありますが、周囲への感染力はだいたい発症日(発熱、咳鼻などが実際に出現する日)の直前から、発熱など強い症状が出てる間が高いものです。今日たまたま見た情報では新型コロナウイルスは発症2~3日前からの感染力が高いそうです。確かに他のウイルスより発症に先駆けて感染力が上がるのは厄介です。しかし潜伏期に感染することはまれでしょうし、感染してても症状がずっと無い人からうつることも、症状が強い人からと比較したら多くはないのではと思います。

 

PCR陽性者→経過観察中のその濃厚接触者→その同僚→その子どもである保育園児→その保育園の同級生、というふうにウイルスが順番に衣服などに接着してリレーされてくるととかはかなり考えにくいですし、感染するなら感染者との接触だけど潜伏期であればうつる可能性は低いと思います。最悪、感染してたとしても多くの場合、特に小児は軽症で終わると言われています。

 

つまり、何が言いたいかというと、あまり可能性の低いリスクに振り回されないようにして欲しいと思います。で、これまで起きてしまってることは過去のことでどうしようもないので、これから出来る外出自粛や手洗いを徹底するほかないと思います。

オンライン診療(電話再診含む)を始めました!

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

開院以来、世のニーズに応えていく医療をモットーとしている当院としては、オンライン診療は始めない選択肢はありません!ということで、大急ぎで準備して本日から受付始めました。今朝にホームページに告知したのに、もう何件も問い合わせがありました、みなさんよく見て下さってる!

 

原則として定期受診の方の再診の場合は、症状の変化がないことが前提になります。今日は問い合わせいただいた時の問診段階で症状の変化があることがわかって、普通の対面診療になってしまう方が少なくありませんでした。気管支喘息なら最近咳が増えてきたとか、湿疹なら近頃よく掻きむしってるとか。喘息は聴診しないと発作が出てるかわからないし、湿疹も皮膚を触ってみないと正確に状態を評価出来ません。

 

本来再診患者に限られていたオンライン診療ですが、この新型コロナ流行により初診から可能になりました。厚労省のイメージでは病院での感染を予防するために、軽度の風邪症状ならオンライン診療を用いてもらおうという考えなのですが、咳鼻などの症状は軽微で、多少熱があるけど、本人は元気といった患者くらいの軽症でないと、聴診器も当てずに薬を出すというのは正直怖い感じがします。

 

とはいえ、滋賀もこれからコロナ患者が増加していけばオンライン診療が威力を発揮してくるかもしれません。一応事務的な話をしとくと、当院門前薬局からの処方なら薬は郵送か配達してくれます。他の薬局からの処方希望であれば処方せんを患者様ご自宅に郵送することも出来ます。自己負担金のお支払は基本的には次回来院時にお願いすることにしています。御希望の方は直接クリニックに電話でお問い合わせください。

親のアトピーがひどくても絶対に子どもの湿疹は治るので、積極的に治療に取り組んで欲しい

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

コロナと関係ないこと書きます。お子さんの湿疹の治療に積極的でない方がいます。ステロイドを断固拒否して他府県の○○病院まで行って治療しているような方ではないです。これはある意味熱心に治療されてると言えるでしょう。そういうのではなく、湿疹を指摘されて薬はもらうけど、指示通りに外用している様子もなく、治したいと気持ちが見られないような保護者です。

 

もちろんそれでは治りません。そんな保護者にはご自身が割と重症のアトピー性皮膚炎であることが多い印象があります。「自分がひどいアトピーだから、遺伝で子どもがアトピーになるのは仕方がない」とか、「自分もステロイドを塗ってきたが治らなかった」とか想いを聞かせてくれるお母さんもいました。

 

結論からいうと、それは全く間違っています。親が重症アトピーでも、子どもは必ず治すことが出来ます。理由はアトピー(湿疹)に対する治療方が全然違うからです。例えば、、、

昔:ステロイド剤は副作用があるからなるべく少なめに使う

今:ステロイド剤は必要量をしっかりとたっぷり使う(フィンガーチップユニット)

 

昔:ステロイド剤は副作用があるから長期連用をさけ、良くなれば早めに中止する

今:ステロイド剤は湿疹が良くなってもすぐに中止せず、塗る間隔を空けながら、皮膚の良い状態を保ちつつゆっくり減らしていく(プロアクティブ療法)

 

昔:そもそも保湿剤を子どもに塗る習慣がなかった

今:生後すぐからでも保湿剤を塗ることで湿疹を予防出来ることがわかった、また効果の高い保湿剤が作られるようになった

 

昔:ステロイド剤しかなかったり、ほとんど効かないばかりか接触性皮膚炎の原因になる非ステロイド系抗炎症剤(スタデルムだの、アンダームだの懐かしい!)がよく使われた

今:プロトピックのようなステロイドではない優秀な外用治療薬の選択肢が出来た

 

こんな感じです。昔っていってもそんなに前ではありません。ほんの10~20年前、下手したら今でも昔の治療をしてるところもあるかもしれません。ステロイド剤の考え方は今と昔ではほぼ正反対ですね。医療の世界は結構こういうことがあります。

 

保護者のアトピーがひどいかどうかは関係ありません、必ず子供の湿疹は適切に治療すれば良くなります。特に小さいうちから治療した方が上手くいきます。保育所入所、小学校入学、中学、高校となるうちに段階的に治療は難しくなります。なぜなら、皮膚を清潔に保てない、薬や保湿剤が塗れない時間が増える、本人が外用を嫌がる、体が大きくなり外用する範囲が増える、といった増悪因子が増えるからです。なるべく早い段階から、ぜひ積極的に湿疹治療に取り組んで欲しいと思います。

 

 

 

今の状況で集団の3歳時健診に行きたくないって方へ、これだけとりあえず確認しておいてって話

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

緊急事態宣言は出したのに休業要請は出さないっていうのに、何か既視感を感じて何かと思ったら、子宮頚がんワクチンは定期接種だけど積極的勧奨はしないっていうあれでした。この国の政治の体質なんでしょうか。いろんなお店が休業しようがしまいが、そこに客としてみんなが行かなければそれだけ感染は防げるのだから、今週末はstay at homeで。

 

そして乳幼児集団健診を今だけは避けたい方にお伝えしたいシリーズです、今回で最後になります、3歳時健診です。この健診のポイントはこれを最後にしばらく健診がないことです。幼稚園保育園でも簡単な内科健診はありますがごく簡単なものですし、小学校での健診まで異常を指摘される機会が無いかもしれません。そういう意味では診る方は結構気を遣います。

 

まず3歳でもやはり身長、体重、頭囲です。特に身長については栄養だけでなくホルモンが関わってくるので、極端な低身長や高身長は注意が必要です。身長を測れるところがあれば健診に行かないにしても確認するのを勧めます。ホルモンの病気(内分泌系)は治療法があることが多いですし、まれに腫瘍性の病気もあります。成長曲線の正常範囲から離れて行く身長経過(大きすぎても小さすぎても)であれば早めにかかりつけで相談するのが良いと思います。

 

あと視力、聴力、尿検査といったところも。これ以後しばらく検査の機会がないということから、多少遅れたとしても必ず健診には行って検査は受けるようにしましょう。見えてるようで見えてない、聞こえてるようで聞こえてないってことはしばしばあります。尿検査で発見される腎臓の病気は、実際の生活の中で気付く症状になる段階ではかなり進行しているかもしれません。

 

 精神(知能、言葉など)発達や運動発達もこの段階ではチェックが必要です。発達障害によっては症状がわかりやすく出てくるのもこの頃です。この後、就学まで健診がないという点で、入学までの間に適切な環境調整をするために、問題を抱えている子が放置されることがないようにしないといけません。

 

つまり、3歳時健診は家庭でチェック出来るのは身長体重くらいで、他のチェックポイントは専門的な診察検査が必要でかつ重要なものが多いです。緊急なものはあまりありませんが、そのまま健診に行かないままにならないように、数ヶ月遅れても必ず受けるようにしてください。

今の状況で集団の1歳半健診に行きたくないって方へ、これだけとりあえず確認しておいてって話

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

今しがた緊急事態宣言が出されましたが、昨日からずっと、これまでと変わることがないから心配するな的報道ばかりですね。それなら宣言する意味あるんですかね?オリンピックに忖度し、経済に忖度し、子どもたち心のケア問題に忖度し、いろんなことに忖度し過ぎて対策が緩慢で中途半端になってる気がします。それで感染が広がってみんな死んでしまえば、元も子もないはずなのに。その代表格の一つの集団乳幼児健診は今のところ明後日から行う予定です。本当に止めた方がいいって今日も市の担当者に言いましたけど、どうなることやら。

 

ということで、乳幼児健診に行かないならとりあえずチェックしておいて欲しい事の1歳半健診編です。

 

1歳半もまず体重です。離乳後の食事が進んでなくて増えてない子がしばしばいます。元気だから大丈夫というものではありません。母乳やミルクが高カロリーなので、離乳食をたくさん食べてても薄いお粥や野菜ばかり食べてたら、全然栄養が足りてないことがあるので注意が必要です。身長はやっぱり動き回って測りにくいし、あんまり気にしなくて良いと思います。低身長があったとしても成長ホルモンなどの検査はもうちょっと後になることが多いですし。頭囲は4カ月健診のときに述べたように急激な増大には注意しておいてください。

 

次は10か月でも述べた睾丸です。詳細はそっちを確認して下さい。ただ違いは外科治療が必要な場合は急いだ方が良い年齢なので、気になったらコロナが怖くてもかかりつけ受診して相談してください。

 

1歳半健診では自力歩行が出来てるか、意味のある言葉が出てるかあたりを診ることが重要な役割となってます。つまり運動発達と精神発達ですね。でも、それが遅れているからといって、すぐに何か出来るわけでもなく、何かしないとさらに遅れるというものでもないので、1か月を争うものではないと思います。

 

というわけで、1歳半健診は①体重、頭囲、②睾丸はしっかり見ておいて、心配ならかかりつけ医でも良いので受診しましょうね。意外と緊急性を伴うチェックポイントは少ないですね。そのためか法的には1歳6ヵ月~2歳0か月の間でやれば良いとされてる健診です。1歳6ヵ月でやってる地域なら数か月遅れでも全く問題なしです。

今の状況で集団の10カ月健診に行きたくないって方へ、これだけとりあえず確認しておいてって話

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

昨日の続きです。10ヵ月健診を延期する場合に気を付けて欲しいことを書きます。まず、4ヵ月時と同じく体重です。体重増加が母乳(ミルク)による栄養から離乳食への移行が上手く行かず伸び悩んでいることがあります。特に母乳やミルクの栄養で体重増加が順調だった子ほど、離乳食を始める5ヵ月くらいから体重が増えてないことがあります。体が大きくなってないということは脳の成長発達に必要な栄養も足りてないということです。元気だから増えて無くても大丈夫とか勝手に解釈せずに相談してください。

 

そして10ヵ月で注意するのは男児の睾丸です。両方の睾丸が陰嚢の中に収まってるか確認してください。陰嚢の中に確認出来ずお腹の方に上がったままになってる、陰嚢自体が小さくて睾丸があるのかもわからないなどなら、停留精巣のことがあり、1歳くらいで手術が必要になることもあります。

 

股関節や頭囲については4ヵ月健診と同様なので省略。

 

10ヵ月も本当は運動や知能の発達も見ないといけないのですが、まあ個人差が大きい時期なのでちょっと遅れてるくらいでは経過観察になりますし、10ヵ月健診を1~2ヵ月延期するくらいなら問題はないです。

 

まとめると、①体重、②睾丸、③頭囲・股関節といったところでしょうか。ワクチンを推奨スケジュール通りに接種されていたら6~7ヵ月のB型肝炎を最後に1歳になるまで定期接種はないので、ワクチンのついでに診て貰うのが出来ませんね。でも、上記の項目は対応を数ヶ月遅れにはしない方が良いので、なるべく早く受診・相談してください。1歳半と3歳半はまた明日以降に。

 

今日も滋賀県でコロナ陽性者が増えてました。大津と草津の店舗従業員にも発生していますが、いずれも県外居住者だから滋賀県内のカウントに含まれてません。全国的には滋賀は少ないとはいえ、特段国境があるわけでもないですし、大阪、兵庫、京都が増えれば当たり前のように滋賀も増えていくでしょう。その中での学校再開。私の予想では再開してまた数日してすぐに再休校になるんじゃないかと見ています。