栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

この国の感染対策なんて、布マスクを全国民に配っている時点であきらめましょう

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

長らくブログを放置してしまいました。ここ数年、個人的にいただく年賀状にはブログを読んでますとか、楽しみにしてますという一言を添えられてることが多かったのですが、今年はついに一人もありませんでしたw

 

久しぶりということで、とりあえず新型コロナのことを書こうと思います。都会では年末年始に急増した後、現在では少し減少傾向に入ってきてるようですね。ここ滋賀県では1日30人ほどの新規感染者が増えも減りもせず続いています。これだけ大阪、京都に通勤などで行き来してる人が多いのに、ほんまかいなと正直思います。当院でも疑われる症状の方にはちょくちょく検査を出してますが、今までのところ陽性者はゼロです。

 

マスコミでは、年末のGoToトラベルの中止の遅れ、飲食店の時短要請、緊急事態宣言の遅れなど、政府の対策への批判が毎日のように取り沙汰されてますね。もうね、この国の感染対策なんて、布マスク(アベノマスク)を全国民に配っている時点で期待してはダメってことだと思っています。国民のみんな一人一人が自分が感染しないさせないように頑張るしかないでしょう。

 

感染対策の分科会がこの第3波ではことさらに会食自粛を強調してるのは、やはり直接の飛沫感染がかなり主要な感染経路になってることがわかってきたのでしょうね。学校や医療機関ではよく机や床や手すりにアルコールをかけて拭き拭きしてますけどあんまり意味がないのかもしれません。コートにアルコールをシュッシュッしたり、帰宅したら真っ先にシャワーを浴びるとか、私はやり過ぎに思います。人と会って直接会話をすることを可能な限り減らすことに注力した方が良いのではと思います(マスクするのは当たり前ですし、マスクも完全ではありません)。

 

あと予防という点でワクチンですね。草津栗東でも準備が始まっています。このワクチンによる重大な副反応のアナフィラキシーショックは従来のインフルワクチンなどより多い(インフルワクチンが100万人に1人に対して新型コロナは10万人に1人)とされてますが、いっても10万分の1です。草津栗東だと人口が合わせて20万くらいだから2人位は発生するかもしれません。でもアナフィラキシーショックには特効薬(エピネフリンという注射薬)があるしワクチン接種会場では必ず常備されますので安心して接種してください。新型コロナに感染する可能性の方が現時点でもずっと高いし、感染したら効く薬もほとんどありませんからね。

インフルエンザワクチンネット予約の予定本数終了のお知らせ

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

インフルエンザワクチンのネットでの予約予定数があっという間に無くなってしまいました。今年の無くなり方はちょっとびっくりしました。例年はしないけど、今年はやっとこうかという方が多いのでしょうか。

今後は残った少ないワクチン在庫を、普段からかかりつけとしてたびたび受診してくださっている患者さんに割り当てて行こうと思います。いつもは他院で病気を診てもらってる、ワクチン接種している方は、御遠慮いただければと思います。

申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

インフルエンザワクチンは高齢者を優先して、子どもや妊婦は10/26以後に接種するようにとの国の方針を聞いて、「保育園落ちた日本しね」のブログを思い出した

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

ブログ長いこと放置してすいません、しかも久々の記事がこんなタイトルで。本当に怒れるやら、あきれるやらで、書かずにいられなくなりました。

 

コロナに対しては子どもは高齢者より強いかもしれませんが、インフルエンザに関しては高齢者以上に重症化のリスクが高く最優先されるべきです。しかも2回接種しないといけないんだから、10月末に1回目、11月末に2回目接種だと、12月から流行した際はワクチンの効果が間に合わないかもしれません。

 

もうね、こんな国、他にあります?恥ずかしくなりますよね。当院はこれでも今まで国の方針を尊重して、小児在宅医療、かかりつけ登録医制度、ワクチン啓発、オンライン診療など協力的にやってきたつもりです。

 

しかし、今回ばかりはもう無理です!とりあえず現段階で当院ではガン無視して10月初めから接種開始予定です!!!!!!!!!!!!!!!

子宮頸がんワクチンの新製品が承認されましたが、定期接種になるまでにはまだかかりそうなので、待たずに接種を勧めます

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

HPV(子宮頸がん)ワクチンの新製品である「シルガード9」が国内で正式に承認されました。現行のHPVワクチンにさらに5つのウイルス型が追加されたもので、当たり前ですが多くの型が含まれる方が予防効果も高いことが予測されます。海外ではこれが既に主流になっています。

 

月に数人ずつではありますが、当院では少しずつHPVワクチンを接種しています。先月頃からこのシルガード9が国内承認が近いとの報道があり、中学生以下の方には接種開始を延期をしていました。だって、接種始めた途端に新製品が定期接種で使えるようになれば、新しい方で始めたかったって思う人もいるでしょうし。

 

ですが、メーカーなどに確認していくと、自費接種するにしても早くて年始くらいになりそうで、定期接種として(公費で)接種出来るようになるのはさらに先になりそうとのことでした。

 

というわけで、接種考えている方はもう始めましょう。小6から接種開始出来ますが個人的には中2頃からで良いと思います。何故かというと初めて性行為をする前に接種すれば良いからです。ワクチン効果もうん十年と続くわけではないので、あんまり早過ぎると無駄になってしまうかもしれませんし。いくら最近の子は早熟だっていっても、さすがに小6~中学生でってことは無いだろうと思う私は甘いでしょうか。

 

逆に、あくまで新製品が接種出来るまで待ちたいというならそれでも良いですが、接種出来るまで絶対に性行為をしないように言い聞かせて下さいね。ということが出来る親子関係もまれだと思うので、もう接種始めましょう。どうしても気になるなら、後から新製品(シルガード9)で接種し直すことも出来ますし(自費になりますが)。

 

かつての副反応の報道で接種に不安を持たれている方もおられると思いますが、現在76人に1人が罹患する子宮頸がんです。一方で不可逆の重大な副作用は10万人に5人程度です。副反応に関してはまだ解明されてない部分もありますが、頻度(数字)を見て、どうすべきか冷静に考えていただきたいと思います。

news.yahoo.co.jp

時勢に逆行するようですが7月以後オンライン診療の受付は原則中止とすることにしました。

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

時勢に逆行するようですが、7月以後オンライン診療の受付は原則中止とすることにしました。東京で連日50人以上の新型コロナウイルス陽性者が出ているなど、まだまだ油断が出来ない状況ではあります。しかし一時期ほど滋賀県での流行は認められない状況下で、直接診察せずに診断して薬を処方して、不適切な判断となるリスクの方が高いと考えたからです。

 

最近では実際にオンライン診療を希望して問い合わせしてこられる方の中でも、普段から通院が途切れがちなアトピー性皮膚炎の患者さんが塗り薬だけ出して欲しいからとか、咳が続くが天気が悪いので行きたくないとかという理由だったりと、本来の感染機会を避ける目的とは違うオンライン希望も増えてきました。

 

以前にも同様のことを書きましたが、湿疹は触ってみないとわからないし、咳は聴診しないと肺炎かも喘息かもわかりません、鼻汁が続いてたら中耳炎かもしれないけどオンラインでは鼓膜を確認出来ません。現状の感染流行状況では、感染症状患者さんと他の患者さんが接触しない対応を徹底した上で、対面診療を原則とする方が患者さんの安全と利益につながると考えたのです。

 

今後の流行状況によっては再度オンライン診療受付再開の可能性もあります、そうならないことを祈っておりますが。どうかご理解のほど、よろしくお願いします。

乳児の体重増加不良は早めに相談して対策をしましょう

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

新型コロナウイルス流行による乳児健診が延期や中止されていたことから、体重増加不良の対応がされないままになっている乳児がいることを心配しています。

 

乳児期の体重増加はとても重要です。単に体が大きくならないことが問題なのではありません。そのうち追い付けば良いとか、小さくても元気だから良いとかいうのも間違いです。正常に体重が増えてないということは、その時に必要な脳への栄養が足りてないということにもなります、体の成長だけでなく知能の発達にも悪影響が出ている可能性があるということです。乳児期の脳の発達はめちゃくちゃ重要、その子の将来を左右する問題です。

 

体重が増えない原因はいろいろあります。生まれつきの心臓病とか、貧血とか乳児本人の原因のこともありますが、授乳や離乳食の与え方に問題があるケースが多いです。自宅に体重計が無いときは、ショッピングセンターの授乳室だとか、地域の子育て支援センター的なところにあって測れることもあります。母子手帳のグラフの正常範囲の帯の傾斜にそって増えてるか確認しましょう。

 

当院では予防接種をしに来てくれてる乳児であれば、2ヵ月以降の体重推移はほとんどの子をフォローしています。でも、2ヵ月未満でも増加不良があれば出来るだけ早めに介入した方が良いですし、また、一通りの予防接種が終わる6ヵ月以降に離乳食への移行が上手く行かずに体重が増えなくなることが多いので、当市のように10ヵ月健診が中止になってしまうとなお心配です。

 

体重増加が心配だってだけで小児科に受診するのもありです。小さくても元気だからと楽観視したり、ネット情報で学んで自己流で何とかしようとせず、なるべく早く相談してください。当院では母乳相談外来と栄養相談外来も駆使して対応いたします。

こどものマスクに関して当院の考え

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

子どものマスクについて。最近、「2歳未満のマスクは危険」と日本小児科医会から声明が出されて話題になってます。あちこちの小児科のブログやSNSでそれに追随する記事が挙がっています。日本小児科医会は「スマホに育児をさせないで」などといったどこまでエビデンスがあるんかわからない極端な声明(保護者を追い詰める可能性のある)を出すので、私はあまり好きではない学会で、会員でもありません。ちなみに日本小児科学会とは別のものです。

 

今回は米国CDCやアメリカ小児科学会の声明の引用で小児科医会独自ではないですが、新生児から2歳までひっくるめて危険って、乱暴な声明だなと最初思いました。CDCなどは2歳以上はマスク推奨としていて、2歳の誕生日を境にいきなり危険⇒推奨に変わるというのにも違和感しかないですね。

 

当院では3歳以上の熱や咳の患者さんで、強く嫌がるのでなければ院内では原則マスクをしていただいています。見ていると2歳前の子でも、大人や兄姉の真似をしたいのか上手にマスクをしている子もいます。苦しければ自分で外せる年齢ならマスクをさせても良いと思います。周囲の目が気になることもありますものね。逆に2歳以上でも嫌がるなら、無理矢理付けさせても触ったりずらしたりして正しく付けられないので、付けなくても良いと思います、意味ないですから。

 

基本的に現在のコロナ対策としてのマスクは、感染者が他人へうつすことの予防目的とされてるので、自分から動き回らないような赤ちゃんには危険云々以前に必要もありません。マスクによる熱中症は実際どのくらいのリスクなのかわかりませんが、病院や店内など付ける場所時間を限定して、車内や家庭では外すようにすれば、そこまで敏感になることもないと思います。運転してると車内でもマスクしてる人が多く見かけますね、家族との移動なら車内では不要です。外遊びのときも、マスクして動き回ると多分苦しいので外しときましょう。

 

幼稚園や保育園でのマスクはどうか?。させない方が良いと思います。小児科医会の言うようなリスクに対応出来るほど保育士の目が届かないし、どうせちゃんと出来ないし、マスクさせないと気になるほど咳鼻がある子はそもそも登園すべきではありません。

 

まとめると、2歳という年齢に関わらず、幼少の子のマスクは、子ども本人が嫌がらないことを前提として、咳や熱などカゼ症状がある時に、必要な場所や時間に限り、大人の目が届く範囲で、させるのが安全かつ効果的と思われます。