栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

いつまで小児科?

何歳までが小児科なのか?

小児科は基本的には中学生まで、つまり15歳くらいまでです。でも、私の診ているてんかんなど子どもの時に発症した慢性の病気の方は、そのまま大人になっても小児科にかかられてる方がたくさんいます。希望されれば成人科(てんかんなら神経内科か精神科)に移行しますし、こちらからお勧めすることもあります。現実、どこかで移行しないと当然あふれかえってしまい、小児科の負担が増えるばかりです。この移行を専門用語でトランジションといい、他領域では先天性心疾患、小児発症の糖尿病や甲状腺疾患などでも問題になってます。

 

てんかんに関して言うと、意外と神経内科医や精神科医で診れる先生が少ないのです。ちなみに日本てんかん学会認定てんかん専門医は滋賀県には全部で9人いますが、そのうち神経内科は1人、精神科は0人、脳外科医0人、残りは全て小児科です(現時点で)。専門医を取得してなくても十分てんかんを診れる小児科医をいくらかは知っていますが、他科になるとよくわかりません。子どもの頃に発症して苦労して発作を止めた自分の患者さんが、中学卒業して成人科に紹介したとたんにヘタな治療をされて再発したら悔しくてたまりません。そんなこんなで、ずっと自分で診続けることが多くなってしまいます。

 

トランジションが上手く進まないのは、小児期発症の疾患を見慣れてない成人科側の問題として指摘されることが多いですが、私のような自意識過剰(自分で言っちゃいますけど)な小児科医の意識変革がカギなのだろうと思います。