栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

脳死は死でない?

こんばんは。

平成27年春に滋賀県栗東市に開院予定の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

子どもの臓器移植、実はまだ2例目だったんですね、順調に進んで欲しいですね。実は私は、この臓器移植を前提にした脳死判定にはもろ手を挙げて賛成というわけではないのです。違和感を感じるとかいうカッコ良い理由ではなく、反対派の意見に共感してしまうのです。

 

過去に大学受験の面接小論文対策の時と、数年前にちょっとした小児の臓器移植についての総説を書かせてもらった時にも、けっこう突っ込んで勉強しました。その時に、梅原猛河合隼雄などの著書を読んで、死の概念は長年にわたり人々の生活の中で出来てきた文化でもあり、それを医療の都合で曲げるべきではない(私の記憶と解釈で書いてるので少々間違ってるかも)という、考えに納得してしまったのです。あと、推進派の態度がデリカシーに欠けてて、高圧的というか、海外でやってるのに日本でやらないのはおかしいの一点張りで反感を持ってしまったのもあります。外国と日本は文化も倫理観も違うから話し合ってるんだろっての。

 

臓器移植でしか助からない子がいる中で、そして日本の患者が海外に行って治療をしている現状で、国内の小児の脳死後臓器移植も進めていくべきなのでしょう。しかし出来れば脳死判定などしなくて良いように人工臓器などの技術が進むと良いのになぁと思います。


6歳未満心臓 男児へ移植成功(2014年11月24日(月)掲載) - Yahoo!ニュース