栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

寸劇の巨人と出生前診断

こんばんは。
平成27年春に滋賀県栗東市で開院予定の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。


昨日は臨床遺伝専門医の研修会に参加しました。何をするかというと、初対面の色んな科の先生数人の班で医者(カウンセラー)役、患者(クライアント)役を交代しながら、設定された事例でロールプレイをします。そう、私の大の苦手な寸劇です。といっても、カウンセリングなのでPALSみたいな胸骨圧迫の演技とかは無く、話すだけだから何とかなりました。

 

まあ、それは良いとして、事例の一つがダウン症出生前診断でした。それで妊娠中にダウン症と診断された両親にどう説明するかって場面。あるカウンセラー役の先生が、ダウン症の子でも、ゆっくりながらも生き生きとした生活をされている方がいるという主旨の説明をされたのですが、後のディスカッションで、中絶をさせない方向に引っ張り過ぎたかもしれないという意見が出てました。カウンセラーはあくまでも中立の立場で、どちらかの選択を勧めることをしてはいけないのです。

 

出生前診断ダウン症という診断を受けた妊婦さんは、ある調査では97%が中絶を選択するんだそう。私はダウン症の子が大好きなので、中絶とか信じられないし、とても残念に思ってます。多分、一般の方はダウン症の子たちがどんなふうに成長していくかをよく知らないからじゃないかと、思います。だから、ほとんどが中絶を選択する状況で、多少ダウン症の良さを話すのは、まだ十分中立的な情報提供なのじゃないかと思いました。

 

小児科だと生まれた後に疾患を診断して告知することはありますが、出生前診断の告知は経験が無いので勉強になりました。あと、寸劇もこれからの時代は必要らしいです。何かを学ぶのには最も効果的だそうです。そろそろ諦めてやった方が良さそうですね。

 

なお、今日のブログタイトルの意味は特にありません、ただ言ってみたかっただけです。