こんばんは。
本年4月に滋賀県栗東市に開院予定の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。
最近、やたら注意喚起が来るなあ~って思ってたらこれ(下の記事)でだったのですね。このラミクタール、確かに添付文書ではかなり慎重めに増量、用量設定がされていて、まともに守ってると、いわゆる薬が効く量(維持量)に到達するまでに何か月もかかってしまいます。どの抗てんかん薬もそうですが、副作用が出にくくするために、飲んでても絶対効かないくらいの少量から開始して、ゆっくり増やします。通常、他の薬なら維持量までに1か月程度です。だから、このラミクタールは多くの医師がフライング気味に増量しているかもしれません。
また維持量まで持って行っても、血中濃度検査するとびっくりするほど濃度が低いことがあって、それで思わずさらに増やしてしまうことも多そうです。濃度が上がらない人がいるのは、この薬物代謝酵素に関わる遺伝子多型により代謝機能の個人差が大きいのではないかと思っています。(なんのこっちゃわからんですね、人によりこの薬の必要量が違うということ)
こういう記事を見ると、医者がろくに添付文書を読まずに適当に使ってるだとか、薬の量を増やして儲けようとしてるとか、思われる方がいると思うとやるせないですね。十分リスクをわかって患者さんの発作の程度や頻度も考慮して多い量を使ってるのだし、薬の量を増やしたって医者の儲けはありません。実はこういう薬は抗てんかん薬以外にもたくさんあります、製薬会社は重大な副作用を防ぐ責任があるから絶対に安全な量しか記載しないですからね。
私は、ラミクタールは外来診療ではきっちり添付文書通りに使いますが、入院で急いで発作を止める必要のあるときは、少し早めに増やしたりしてました。気を付けないといけませんね。