栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

第3回ワクチン勉強会(麻疹編)

こんばんは。4月16日に開院予定の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

とりあえずMR!

 

居酒屋のビールの銘柄ではありません。「実はワクチンなーんにも受けてませーん。てへぺろ。」って突然カミングアウトされるお母さんに言う言葉です。冷静に考えれば本当に何も受けてないなら、不活化ワクチンからだけど(生ワクチンであるMRから先に打つと4週間次打てないけど、不活化ワクチンなら次のを1週後に打てるから)。とりあえず、一番怖いウイルスのワクチンだからです。

 

MRのMである麻疹(マシンと読みます、はしかのこと、英語でmeasles)ウイルスですが、こいつらがひどいのです。感染すると、ここまでやるかってくらい人間を苦しめます。急性期は高熱、咳鼻、眼脂、発疹とひどい状況です。肺炎、クループ、中耳炎にもなって本人は地獄です。脳炎もあります。水痘ウイルスにもインフルエンザにも効く薬はあるけど、麻疹にはありません(一応、水痘と同様に接触して72時間以内にワクチン接種する方法はありますが)。またICUに入るくらいまでひどくならないと、入院させてもらえません。病棟内で拡がったら大変だから。まさに自分で闘ってもらうしかありません、負けたら死にます。大袈裟でなく。

 

接種は1歳と就学前1年間の2回。特徴として副反応で7〜10日後くらいに発熱することあります。ほっときゃすぐに下がります。2006年以前は麻疹ワクチン1回だったですが、体質で1回だと抗体が出来ない人が5%、出来てもそのうち消えてしまうのが10-20%あり、それをなるべく減らすために2回接種になりました。

 

水痘が定期接種になったこともあり、MR、水痘、ムンプス(おたふく)の同時接種が勧められています。1歳なら1本でもどうせ大泣きするんだから、ドサクサに3本一気に打っちゃいましょう。1本ずつ打ちに病院に来てたら、その度に押さえつけられて針を刺されて、病院嫌い、医者嫌いになっちゃいそうですし。

 

MRのRである風疹については次回に。