栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

半年待ちの発達外来を考える

おはようございます。

滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

最近、更新が深夜になってしまいしっかり書けないので、今日は朝から書いてます。

発達外来初診がやはりどこも半年近く待ちになっているようです。滋賀医大発達外来も初診枠を増やしてくれてるようですが、追いつかないみたいです。そこで改めて発達外来初診を考えてみようと思います。

 

発達外来受診を希望されるケースをざっくり分類してみますと、

①さしあたり穏やかに楽しく生活出来ているが、他の同年齢の子と比較すると、発達の遅れや偏りが気になり不安である。

②日々の生活で本人、家族、学校とも困り感がある。医療的な診断と対応方法を知りたい。

③反社会的問題行動(犯罪など)や二次障害(うつなど)が出ていて、早急に対応したい。

以上のケースがごっちゃに順番に予約が入ってしまっています。客観的に緊急度から言えば当然①<②<③なのですが、親にしてみれば不安なのは同じなわけで安易に①を後回しにするのもどうかと思います。このへんの振分けはある程度、地域の療育機関や教育関係者がやってくれてると思いますが、やはり医療的診断を希望される方が多いようです(そんなに医療が権威あるものと思わない方が良いと思うのですが)。

 

①のケースは、実際には個性の範囲だったり、発達障害などの可能性があったとしても、適切な対応を伝えるだけ(ていうか、穏やかに楽しくやれてる時点で適切に対応出来ていることがほとんどです)で、保護者の不安が強くなければ半年~1年毎の受診で十分なことも多いです。

②のケースは緊急性がさほどでないなら、じっくりと問診と診察、発達検査などしながら、出来るだけ正確に評価して、対応をしてあげるのが良いと思います。ただし、発達検査が出来なかったり、診察に長時間かけられない、臨床心理士などスタッフがいない当クリニックでは十分に出来ません。

③のケースは緊急の対応を要します。緊急というとすぐに投薬と思われそうですが、そうではありません。往々にして、悪化因子が隠れていることがあります。家庭環境とか友人関係とか。本当にいじめはありませんか?学校担任の対応は適切ですか?母子家庭のお母さんに、パートナーの存在や子どもとの関係を確認していますか?そういった点を確認しながら、必要に応じて投薬や高次医療機関につないで行きます。

 

当院としては、①や③のケースになるべく早く対応して、半年待ちになっている高次施設(医大や小児保健センター)の外来に協力出来たらと思っています。