栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

小児救急のコンビニ受診について

こんばんは。

滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

当直をやらなくなって半年近くなります。その点においては、日々小児救急の当直をされてる小児科勤務医の方々に深く感謝するとともに、後ろめたさを感じるこの頃です。

 

で、以下の記事。救急外来に来た軽症患者から別料金を取るってね、実際には多分難しいでしょうね。何をもって軽症とするか、患者さん側が大真面目に重症と思って受診したら、それに請求することは出来ないでしょう。小児科だったら、3か月未満の赤ちゃんの39℃の発熱は無条件に緊急受診が必要ですが、11か月の赤ちゃんの39℃の発熱で他に特に症状なくいつも通り寝たり飲めたりしてる場合は軽症です、深夜に受診する必要はありません。そんなの小児科医にとっては常識でも患者さんたちが知ってるわけないですものね。

 

医者の間でも意見が分かれるケースもあります。「熱性けいれん」は小児科医によっては受診もせずに自宅で様子みるように言ってる先生もいますが、私なぞはけいれんが数分で止まる可能性があってもすぐに救急車を呼ぶように勧めてます(けいれんが確実に止まってるかを見極めることが家族では難しいことがあり、その場合重篤なてんかん発作だったり脳症だったりするリスクがあるからです)。

 

一方で、明らかに悪意を感じる(というか、バカにしてる)こともあります。昼は仕事で来れないからとか、待ち時間が長いからとかで、深夜の救急外来に来たとか。アトピーの薬が無くなったから来たとか。一度、朝6時に子どもが熱が出したんだけど結婚式に行かないといけないから今来たとかいう方(結婚式に出席する格好で)もいました。坐薬1本だけ出して、9時の一般外来に来るように言って帰っていただきましたが。そういう方を多く診た翌日は一日中、気分が悪い中での仕事です。

 

そんなこといっても、どうしても受診出来ない人もいるんだって反論あるかもしれませんが、それは別問題です。救急外来は重症患者を診るために開けているのであって、家庭の事情で来れない方のための外来ではありません。

 

そういった当直をすることも無くなった私に出来るのは、ふだんの外来で、夜間に救急受診が必要なのはどういう時かを、少しでも多くの人に伝えていくことしかないと思っています。

 

愚痴っぽくなったので、最後に私が考える深夜でも救急受診が必要な状況をいくつか挙げときます。

・文中にもあった3か月未満の赤ちゃんの発熱

・喘息やクループ発作などで眠れないくらい咳や呼吸困難があるとき

・頻回の嘔吐やほとんど尿が出ないくらい水分がとれてないとき(下痢だけが数回あったくらいなら大丈夫です)

・けいれん発作(てんかんの診断がついていて、いつもと同じ軽い発作のときは除く)

・良くなる気配の無い全身の蕁麻疹

・眠れないくらいの腹痛

多いのはこれぐらいですかね、最初のうちは判断が難しいと思うので不安なら受診されれば良いと思うし、それで受診が必要だったかどうかなど医師に訊いて教えてもらえば良いと思います。必要ないなら子どもにとっても家族にとっても自宅で休んでいるに越したことはないわけですからね。

 

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