栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

大人になれば治るから薬に頼らない方が良いなんて嘘ですから

こんばんは。

滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

今年はあまり寒くならないせいかインフルエンザがなかなか流行しませんね。良いことのようですが、それで他の感染症がないわけではなく、今はいろんな感染があちこちで流行っていて診断する方にとっては悩まされます。溶連菌、マイコプラズマアデノウイルス、RSウイルス、胃腸炎ウイルス(ノロ?)、夏風邪の代表である手足口病まで出ています。

 

カゼというか、感染症は繰り返すほど体の免疫が付いて、体は強くなっていきます。だから、幼稚園や保育園デビューして間もない子が何度も風邪をひくことを悲観することはありません、これで免疫力が鍛えられてると思えば良いのです。

 

一方で、喘息やアトピー性皮膚炎といったアレルギーの病気はちょっと違います。喘息発作は繰り返すほど、気道が荒れて狭くなり難治性の喘息になります。皮膚炎も悪いままの状態が続くほどバリア機能が失った治りにくい皮膚になってしまいます。もっと言ったら、てんかんだって発作を繰り返せば繰り返すほど抑制困難になります。だからどれも治療の主目標はいかに良い状態を長期間保つかにかかってくるのです。おのずと治療の主体は薬物治療になります。もちろん、環境だとかスキンケアとかも重要です。

 

「喘息もアトピーてんかんも大人になれば治るから薬に頼らない方が良い」なんて嘘てすから。どれもちゃんと治療しないと大人になっても治りません。