こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。
うちのクリニックは土足です。これはそうするように頼みました。さらに駐車場から診察室まで完全にフラットです。これは頼んだわけでもなく出来たらそうなっていました。これの方が安上がりなのでしょうか。
土足にしたのはベビーカーがそのまま入れるように赤ちゃんのお母さんのことを考えて、、、ではありません。赤ちゃんくらいなら抱っこして入れないこともないですものね。大きなバギーで移動する障害児(者)の方でも容易に受診できるようにしたかったからです。自力移動が困難な障害児(者)は近くのクリニックを受診したくても、スリッパに履き替えが必要というだけであきらめないといけません。
先日の19人殺害犯の障害者を排斥する思想は極端だけれども、障害者を見慣れずに育った大人たちが意志疎通も取れないほどの重度障害者と初めて接した時には、重度障害者の生きる意味について悩むことは多いと思います。私自身そうでしたもの。地域には一定数の障害者がいるはずなのに、地元の小学校には行けず養護学校に集められ、近所のクリニックは門前払いで特定の大病院にしか受診できない障害児とは、健常の子どもたちはほとんど接することなく大人になっていきます。障害が有っても無くてもそれぞれの命を大切に思う気持ちを育むには、子どもの頃から障害者を身近に感じる環境を作っていくことが必要なのではないかと思っています。
というわけで、地域の皆さんの健康を守りたいという理念をお持ちなら、そこに地域の障害児も含めてくれるのなら、土足で入れるようにしてください。これから開業をお考えの先生方へ。