栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

親にアレルギーの病気があっても、子どもも同じようになることをそれほど心配する必要はありません

こんにちは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

看護師、医療事務ともに募集中です!よろしくお願いします!

 

赤ちゃんの湿疹診療をしていると、ご両親またはどちらかがアトピーだったから心配と言われる方がいます。確かにアレルギー体質は遺伝しますが、必ずしもアレルギー体質の人がアレルギー疾患をすべて発症するわけではありません。つまり、アレルギー疾患は食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息アレルギー性鼻炎、花粉症などですが、それらがすべて発症することもあれば、一つや二つであったり、症状が軽いこともあるわけです。お母さんにアトピーがあっても、子どもは花粉症だけということもあるのです。もちろん、その逆もありです。

 

アレルギー体質の人はとても多く国民の3分の1にもなるそうです。印象としてはもっと多そうですよね。3月に花粉症は全くないと言っている人の方が少ない気がしますもの。これだけ患者さんの多い領域なので研究も進んでいて、最近では食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の発症メカニズムがわかってきました。

 

有名なものでは、離乳食開始前の乳児期早期の湿疹が食物アレルギー発症のリスクを高めるというのがあります。これはつまり、食物アレルギーを予防するには乳児湿疹をしっかり治療することが重要ということです。生まれて早いうちから保湿剤でスキンケアをして、湿疹が出始めたら悪くならないうちに早めに治療するということをしていれば、アレルギー体質であっても食物アレルギーは回避出来る可能性が高いということです。同時に乳児湿疹を早め早めに治療することになるのでアトピー性皮膚炎への移行も減らせます。

 

アレルギー体質は遺伝しても疾患そのものは予防や軽症化は出来ますので、スキンケアなど必要なことをしっかりやっていれば、それほど心配することではありません。