栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

1歳半くらいになっても言葉が出なくて、遊び方や行動などから我が子が自閉症なんじゃないかと心配している方へ

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

私の月1回ある乳幼児健診の担当は1歳半健診です。1歳半では心臓とかの大きな病気というより、体(身長や体重)、運動(歩けてるか)、知能(言葉が出てるか)の発達の確認が主になります。その中で言葉があまり出てないお子さんで自閉症じゃないかと心配している保護者にしばしば出会います。一人遊びが多いとか、目が合わないとか、すぐに迷子になるとか、、、お母さんが自分から気になる行動として話される内容で、「ああ、自閉症とか発達障害を心配しているんだな」とわかります。お母さんの話を聞きながら、子ども自身を眺めてると、アンパンマンを指さししてアピールしたり、保健師にあやされながら楽しそうに遊んでたりして、むしろ自閉症じゃなさそうな行動が見れたりします。

 

でも、それだけでその子が将来自閉症にはならないとも言えないんです。もちろん自閉症とも言えない。自閉症スペクトラムなので、そもそもがはっきりしないものなのです。専門家でも予想することが難しいことがあります。もし、はっきりわかるっていう先生がいるなら、その先生は怪しいなって思います。たくさん患者さんを診てきた先生ほど、わからないって言います。

 

だから心配なのはわかるけど、将来のことはいくら悩んでもわからないときはわからないんだから、今出来る事をしましょう。ほぼ共通しているのは、①どんな子でもその子なりに発達する、②穏やかで楽しい環境が最も伸びる、ってことです。それ以上は子どもによっても違います。もし発達外来に通院している(これから受診予定含め)方は、診断がどうか将来どうなるかとかより、今子どもに出来ることが何かを相談するようにしましょう。