栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

今の状況で集団の4カ月健診に行きたくないって方へ、これだけとりあえず確認しておいてって話

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

ここ滋賀県でも着々とコロナ感染者が増えてきていて、残念なことに隣の草津市クラスターが発生してしまいました。今の東京のような状態が滋賀にも近付いてるのかもしれません。

 

そんな中、来週から学校が始まります。休校になったときから明らかに事態は悪化してるのにどういう理由で再開になるのか、全く意味がわかりません。そして、もう一つ。当院の地区では乳幼児健診も3月に入り中断していたのが来週から開始になり、私も担当です。周辺も同様で隣の市では昨日から始まってます。中断した3月初めは幼稚園保育園もやっていたので、健診だけ中止するのはちょっと疑問でした。で、そのときから、どうなったら再開するのかと思ってたら、わざわざ感染者が増えてきたタイミングでした。地域によって違いましょうが、当地区では3月中止した分と合わせて、1回の健診におそらく対象者が60人くらいです、保護者や兄弟、保健師なども併せて150人近くが会場に集まりそうです。三密どころの騒ぎじゃない、子どもはあちこちよだれ垂らしなが動き回り、それを親が追いかけて、子どもはマスクなんてしてくれませんからね。もう私は行きたくないです(仕事だから行くんですけどね)。みなさんも行きたくないですよね。

 

健診の対象だけど、今の時期、そんなところに行きたくないんで延期しようと思われてる方に、それでも良いのでこれだけは確認しておいて欲しいことを書こうと思います(やっと本題)。今回は4カ月健診。

 

健診で医者が診るチェックポイントはたくさんあるのですが、異常があればすぐに対応しないといけないことと、必ずしも1~2カ月を争うものではないことがあります。

 

4カ月ではまず体重が増えているかが重要です。体重さえ増えていれば、心雑音があって心臓病が隠れてても、首が座ってなくて筋肉の病気や脳性麻痺があったとしても、重度のものではない可能性が高いです。体重はスーパーの授乳室などに体重計があることもあるし、ワクチンをされてる病院で頼んだら測ってくれるかもしれません(当院ではほぼ全例計測します)。身長は気にしなくて良いです、計測時の誤差が大きく、身長の異常だけなら経過観察になることが多いからです。母子手帳の成長曲線欄にプロットしてみて正常範囲を示す帯に沿って増えてなければ、かかりつけ医に相談してください。実際上は何かの病気より、母乳やミルクの栄養が足りてないことがほとんどです。

 

次は股関節。先天性股関節脱臼(現在正式には発育性股関節形成不全という)を確認するために、股関節が開くかを診るのですが、これは保護者の方には難しいと思います。ですので、両足を伸ばした時に足の付け根から太ももにかけてのしわに左右差がないかを見てください。極端な差があれば相談してください。ほとんどは抱き方などの指導をされて経過観察になるのですが、程度によっては装具など必要になります。一瞬で確認出来るのでワクチンのときにでも診てもらいましょう、このくらいのことを断られたら病院変えた方が良いです。

 

あとは頭囲。急激に大きくなってないか確認します。頭の後ろ一番出っ張った部分と、前は眉間を通るところでの周径をそのへんのメジャーで測ってみてください。体重同様に成長曲線欄の正常範囲を突き抜けて大きくなってたら、頭の中で腫瘍などが大きくなってることがあり緊急の対応が必要なことがあります。小さすぎるのも問題ですが、緊急性があることは少ないので次のワクチンのときか、健診を再開するときの相談でも良いでしょう。

 

もう一つだけ。眼です。眼の位置に左右差なく動くものを追いかけたり、眼の中に白い異物(腫瘍)が見えたりしないかだけ確認してください。

 

まとめると、①体重増えてるか?②足のしわに左右差ないか?③頭が急に大きくなってないか?④目の動きや位置がおかしくないか?あとはまあ、いろいろとありますが、緊急性と頻度を加味すると、とりあえず以上を最低限確認しておいてもらえば、健診が5,6カ月とかになっても大きな問題はないと思います。当院でワクチンしていて4カ月健診が延期になってる子(つまり5か月のBCGと四種混合のとき)は、全例上記に関してはささっと確認しております。

 

長くなったので1歳半と3歳半健診については改めて。