栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

一人歩きをなかなかしなくても、歩く練習はしないでください

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

子どもの運動発達で大きな節目として独り歩きがありますね。だいたい1歳0か月~1歳半に出来るようになっていることが多く、1歳半の乳幼児健診では重要なチェックポイントになります。運動発達には首が座ったりとか寝返りしたりとか歩いたりといった粗大運動と、指でものをつまんだりとか殴り書きをしたりとか微細運動と分けられるので、粗大運動より微細運動の発達がよく進んでいることもあったりと個人差はあります。でも、1歳半健診で他の子が歩いているのを見て、自分の子が歩けてないと心配になりますよね。

 

診察である程度はこの遅れが単なる個人差の範囲内か病的かは判断がつくこともあれば、よくわからないこともあります。わからないと、3か月後や半年後などに再チェックします。つまり様子見ましょうと言われます。様子見ましょうというのは、何も次回までに歩けるように練習しておいてくださいということではありません。普通に生活しててくれたら良いのです。嫌がるのを無理やり立たせて歩かせる練習とかしなくて良いですからね。

 

どうしても気になるなら、その前段階、ハイハイやつたい歩きをたくさんすれば良いと思います。人間の発達はその前段階の発達の動きがそのまま練習になっています。間違っても歩行器で練習しないでください、歩けないのに歩ける状態になると脳の発達にバグが生じてしまいます。