日本脳炎ワクチンを3歳未満に接種しない考えへの反論
こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。
当院ではほぼ全員が日本脳炎ワクチンは6か月からスタートされています。全員に、従来は(といっても随分前から変わってますけど)3歳以上に接種されていたが、近年1歳くらいの子の日本脳炎患者が複数報告されるようになり、生後6か月での開始が勧められるという説明をして同意の上、接種しています。
ごく少数ですが、他院で3歳以上にしか接種してないところがあると聞いて不安になり接種されない方がおられます。伝え聞く範囲ですが、その3歳以上でないと接種しない理由に対して反論したいと思います。
①3歳未満だとワクチンの薬剤量が半分になるから
⇒これが理由になるというのが理解出来ません。そんなのインフルワクチンもコロナワクチンも年齢により接種量違うの当たり前じゃないですか、体重だって半分くらいなんだし。
②3歳未満接種が勧められているのは感染リスクが高い地域だけだから
⇒確かによく小児科学会の声明を読むとそう書いてあります。ただ、感染リスクが高い地域(その地域の豚の日本脳炎抗体価陽性率)は報告年により頻繁に変わっています。だいたい、この日本国内で県ごとに変える意味あります?転居もするし、肝心の感染源の蚊が多い夏に旅行だの帰省だのするじゃないですか。全くナンセンスな考えです。
③早くに接種すると2期(9歳以上13歳未満)の接種時期まで免疫が維持できない可能性があるから
⇒これは確かにそうかもしれないです。多分維持できることは証明されてないと思います。ですが、維持されている可能性はあります(接種したんだから)、一方3歳まで接種しなければ間違いないく免疫は全くありません(接種してないんだから)。そこで1歳前後という最も一般的に脳炎になりやすい時期を免疫が全くない丸腰で挑むわけです。どっちをとりますか?答えは出ていますよね。
とはいえ、患者さんが熟慮して上で決断したことを無理に覆すつもりはありません。ですが、絶対にしちゃいけないのは、1期の1回目、2回目(1回目から1-4週あけて)、3回目(2回目から6~12か月)の途中で中止して、3歳になってから続きを接種することです。ワクチンは1期の3回を1つのセットとして免疫を作るので、途中で止めて何年も経過したら、1、2回目の接種が無駄になるかもしれません。かといって、定期接種(公費)では一生で接種出来る回数は決まっているので、3歳になってから1回目から接種しなおすことも出来ません。つまり1回目接種を開始したなら、1期の3回分は規定通り接種しないといけません。くれぐれもご注意ください。