こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。
クリニックの待ち時間問題検証の2回目です。経過と症状を聞いて診察して診断を伝えて薬を出すだけなら、3分以内に終わることも多いです。でも、処置や検査が入ると想定の数倍以上時間を要することがあります。
処置について。例えば、子どもの腹痛って思われている以上に便秘が多くて、浣腸して出してあげると嘘のように痛みが無くなるし、それで笑顔になった子どもを見るとこちらも嬉しいし、やっぱりどんなに混雑してても省略できない処置があります。喘息の吸入なんかも同様ですね。でも、そういえば外来で点滴とかほとんどしなくなりました。開院して3年くらいは1年に1人くらいしてたかな、ここ5年以上は一人もしてませんね。待合で経口補水療法するので十分だし、外来点滴しなきゃいけない状態なら入院した方が良いと思っているのですぐに紹介してます。だって小さい子どもの外来点滴なんて1回で200mlそこらの水分しか入らないんですよ、あんな怖くてい痛い思いをさせられて。
検査は、尿検査はもちろんのこと、採血も看護師さんがほとんどやってくれてます。いつの間にか私より上手くなっていて助かります。採血結果は後日にお伝えするような内容がほとんどです。以前は熱が続いてる子に白血球だのCRPだの迅速検査してましたけど、実際の症状と診察所見以上の情報にならないことに気付いて(異常無くても敗血症だったとか何例もあったし)、病院に紹介しないといけないならまた点滴のときに採血されるし、無駄に子どもに怖い思いをさせたくないのもあり、やらなくなりました。だから、今では血液検査で私の診療が停滞することはあんまりありません。
ウイルス迅速検査についてです。世の中進歩したもので、私が医者になった頃は外来ですぐに結果が出るウイルス検査は、インフルエンザA型が出たばっかりでした。ですから症状だけでインフルB型もアデノや溶連菌やRSウイルスなど診断してましたし、入院になった場合にのみ血液で抗体検査に出すくらいでした。当然ながら患者さんからも検査を希望されることはありませんでした。私は個人的には特別な治療法のない感染症に関して、症状出てからすぐに診断する必要は無いと思っています。保育園などはやたら検査してもらってくるように保護者に言われますが、何かコレクションでもしてます?原因ウイルスの違いで現場での感染対策の方法が変わるのですか?しかし、インフルエンザや溶連菌だけは治療できる薬があるので検査することも多く、結果の説明をして処方するとやはり想定以上に一人当たりに時間がかかります。時間短縮のために希望された迅速検査を医師診察前に看護師がするところもあるようですが、やはり私は侵襲的な検査(痛みや事故のリスクがある)の必要性は自分で判断したいし、検査そのものも出来るだけ痛くないように安全にやりたいので、検査前に必ず診察することにしていて時間を要することがあります。
私の個人的なこだわりもあったりで、こんな感じでやっています。大人と違って子どもの処置や検査は本人の協力が得られないことがほとんどで人手も要したりで、待ち時間に影響してしまいます。でも、出来るだけ効率よくこなせるように日々考えております。