こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。
コンフォートゾーン、ラーニングゾーン、パニックゾーンという言葉があります。ある学習環境において個人がどの領域にあるかを示す言葉で、コンフォートゾーンは周囲や環境より個人の能力が高くストレスが無く余裕がある状態、ラーニングゾーンは周囲や環境が個人に対して適度にストレスとなり、それにより能力アップが望める状態、パニックゾーンは周囲や環境が個人の能力よりレベルが高過ぎて、それにより成長が妨げられる状態です。
能力を最大限伸ばそうとすると、ラーニングゾーンに出来る限り居続けることが必要です。コンフォートゾーンでは名前の通り快適ではあるけど今以上に伸びることはなく、パニックゾーンではストレス過多で伸びるどころか低下するかもしれません。
さて、これは子どもにとっても同じと考えましょう。学校環境でも習い事でも子どもがパニックゾーンに入っていないか?学校環境は色んな制約があってどうにもならない(最も長い時間を過ごすのにも関わらず!)こともあるでしょうけど、習い事は調整出来ますよね。習い事という環境は、個人レッスンとかでなく集団でやるものなら、子どもの学校以外のコミュニティになるという点でとても良いものです。どうしてもスポーツ選手にしないといけないとか、音楽家にしないといけないとかなら、常にラーニングゾーンにおかないといけないし、学校以外の楽しめる環境と考えるならコンフォートゾーンからラーニングゾーンの間くらいを目指したら良いんじゃないかと思います。でも、実際に外来で習い事の話を聞いていると、それパニックゾーンになってない?って思うこともあります。
先日、プロのバスケットボール選手と話をすることがあって、お子さんにどのくらいバスケをさせてるか聞いてみたところ、そんなにもやっていませんでした。その方は、子どもたちには今はバスケを楽しんでくれたら良いと思っていると言っておられました。
改めて、習い事といった個々の学習環境や生活全般も含めて、子どもがパニックゾーンに入っていないか注意して見てみましょう。