栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

痛くないように安全に子宮頚がん(HPV)ワクチンを注射したいので、腕を脱力して自然に降ろした状態で肩甲骨の出っ張りまで十分に袖をまくれる服で来て

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。

 

子宮頚がん(HPV)ワクチンのキャッチアップ接種を期限内滑り込みでスタートした方たちが、2回目接種で多く来られています。寒くなってきたので、みなさん長袖で来られます。そこでちょっとした問題が発生しています。このワクチンは肩の三角筋の筋肉内に注射をするのですが、長袖だとしっかり肩を露出出来ないことがあるのです。

 

インフルエンザなど多くのワクチンは皮下接種なので、はっきり言ってどこに打ったって良いんです。しかし筋肉注射のワクチンはしっかりと三角筋の筋肉内に入れないといけないことになっています。しかも、HPVワクチンのような一生ものの効果を得るためなのでなおさら慎重に接種したいところです。また比較的痛いワクチンなので、なるべく抵抗なく入る(痛みを感じにくい)ところを狙って注射したいというのもあります。当院では痛み止めテープを希望者には貼ってから注射していますが、筋肉内に薬液が入るときの痛みまでは十分抑えられないようですし。

 

ゆるゆるな長袖でその下も半袖シャツとかなら袖をまくるだけで良いですが、タイトな長袖だったり、さらに下に来ているシャツも長袖の加圧シャツやヒートテックみたいのだと終わりです。無理やり肩を出しても筋肉の位置が十分確認できなかったり、三角筋に力が入って筋収縮してしまうとか、上手く注射できません。そういうときは半分服を脱いでもらってがっつり肩を出してもらいます。一度、長袖のワンピースで来られた方がいて、そのときはクリニックで常備している服(お母さんが子どもに嘔吐されて盛大に服が汚れてしまったときなど用の)に着替えていただきました。

 

これから接種される方は十分に肩全部を出せる服装で、具体的には腕を脱力して自然に降ろした状態で肩甲骨の出っ張りまで十分に袖をまくれる服で来ていただければと思います。