こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」院長の吉岡誠一郎です。
今夜もホームページのコンテンツを増やしました。気が付けばクリニックのホームページを患者さんとともに作成していくという、なかなか画期的な企画となっています。こんなことしてるクリニックって他にあるんでしょうか?面白くて毎日更新してしまいます。今回は乳幼児の体重増加不良への対応についてまとめました。もっとこういうこと書いた方が良いとか、それは書かない方が良いとかあれば、ブログのコメントでも、インスタやフェイスブックのコメントでも、DMでも良いので、ご意見いただければ嬉しいです。
以下転載です。
当院の乳幼児の体重増加不良の治療方針
はじめに:
体重増加不良は乳幼児健診でも最も問題となる項目です。それは多くの疾患の症状として現れるからです。特に先天性の心臓や内分泌、消化器、血液などの病気が発覚するきっかけになります。ただし、実際にそれで病気が見つかることはそれほどなく、圧倒的に栄養摂取不足によるものが多いです。当院の体重増加不良への対応は、隠れた疾患を見逃さないように注意しながら、栄養摂取に関する問題点を検討して体重増加につなげる治療となります。
治療:
治療は年齢により異なります。乳児期早期であれば栄養は母乳やミルクが主体となるので、その時期の体重増加が十分でないときは授乳方法(授乳間隔やゲップのさせ方など)や母乳トラブル(乳腺炎など)が主たる原因となります。当院では母乳相談と栄養相談を利用していただくことで、ほとんどの方の増加率の改善がみられています。乳腺炎や乳口炎などでは治療薬を処方することもします。また、子ども側の原因として便秘や貧血などを伴うこともあり、必要に応じて治療や検査を行うこともします。乳児期後期以降になると離乳食を導入する際の摂取カロリーの減少や、子どもの便秘が増える時期でもあり、やはり栄養相談と医療的治療介入を同時並行して治療にあたります。そして、それ以上の年齢になっても体重増加が十分となるまでしっかりフォローしていきます。
最後に:
特に生まれて間もない赤ちゃんの体重増加は、お母さんたちの育児の自信や充実感に直結しますし、そのトラブルに早期に適切に対応することは子どもの成長はもちろん、母子関係を良好に確立していく上で重要と考えています。そのため当院では母乳相談と栄養相談(健康相談)には特に力を入れています。定期予防接種のときはもちろん、他の理由での外来受診時にも出来るだけ体重計測を行うようにしています。育児において、授乳や栄養に関して不安や困りごとがあれば、気軽に受診相談していただきたいと思います。