こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。
日本脳炎に関して、昨年千葉の11か月児が日本脳炎を発症した報道は記憶に新しいところです。日本脳炎ワクチンの標準接種スケジュールでは3歳になってから開始なので、当然それじゃ遅いやんかという話になります。今回のが稀なのかと思いきや実は過去10年で他に二人の1歳児が発症していたのです。
というわけで、今年の初め頃に日本小児科学会が、西日本などの流行しやすい地域(感染源のブタの抗体保有率が高い)では生後6か月から開始することを推奨する見解を発表しました。ただでさえ乳児期~1歳の接種すべきワクチンが大量なのに、さらにそこに日脳をぶっこむのは大変かなと思って、当院では今まで通り3歳からということで説明していました。
しかし、3歳にポツンとある定期接種で多くの保護者が忘れがちであることや3-4歳児の予防注射に対する抵抗がハンパないことなどから、まだ保護者のワクチンに対する意識が高い乳児期に、物心つかないうちにいっぺんに接種した方が良いのではと思うようになりまして、
先月くらいから順次患者さんたちへ6か月以後からの日本脳炎ワクチン接種を勧めています。3歳からのと同様に2-4週くらいあけて2回接種して1年後に追加します。すべてのワクチンをしっかり進めている方なら5か月時にBCG+四種混合③のあと4週してから日脳1回目を接種して、その後3-4週後にB型肝炎3回目と合わせて日脳2回目を接種することになるのが多いでしょう。
蚊(日脳ウイルスを媒介)の飛び回る季節を前に、3歳未満の方ぜひ検討ください。もちろん定期接種なので全部無料です。
日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY