読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

第4回ワクチン勉強会(風疹編)

こんばんは。

4月16日に開院予定の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。

 

昨日のMRワクチンの続き。

Rである風疹(rubella)は「3日はしか」と言われるくらい、3日もすれば治ります。リンパ節が腫れて、熱と発疹が出ます。お約束の脳症や血小板減少性紫斑病になることありますが、普通は症状は軽いちょろいウイルスです。が、しかし、御存知のように近年、風疹流行に伴って妊婦さんに感染して、先天性風疹症候群になって生まれる子が増えました。視力障害、難聴、脳障害、心臓奇形などを生まれつき持つ子です。このワクチンの大きな目的は、妊婦さんと胎児を守ることにあります。

 

ワクチンは接種した人の何%かは接種したのに免疫がつかない、さらに何割かは時間が経つとついた免疫が消えて行ってしまいます(これをvaccine failureといいます、前者を一次性、後者を二次性と分けられます)。ワクチンの目的は接種した本人の感染発症予防だけでなく、社会全体の流行予防が重要なのです。仮に免疫がつかなかったり、または消えてしまっても、社会で流行しなければ感染することは無いのですから。

 

風疹ワクチンは1995年という結構最近まで中学生女子だけに接種されていました。先天性風疹症候群だけ防げば良いので女子だけで良いだろうという考え、今思えば本当にアホでした。上述の社会全体の流行予防という観点が抜けていました。男性が感染して流行しちゃえば、vaccine failureや、病気や治療が理由でワクチンが出来なかった妊婦さんは感染発症してしまいます。風疹ワクチンは生ワクチン(弱らせたウイルス)なので、水痘や麻疹の時のように接触してすぐにワクチンを打つことが妊婦には出来ません(弱らせてもウイルスなので胎児へ影響する可能性があるため)。

 

皆がMRワクチンを、自分の子どもだけでなく、これから生まれてくる子たちのためにも接種しなければと思って下さるとうれしいですね。