栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

集団生活のスタート前に③(麻疹風疹ワクチン)

こんばんは。

滋賀県栗東市栗東よしおか小児科の吉岡誠一郎です。

 

集団生活前に忘れず接種しておくワクチンの第3弾として、今夜は麻疹風疹ワクチンです。1歳から2歳になるまでと、小学校入る前の1年間の2回接種です。最重要ワクチンとして君臨しております。特に麻疹は過去のブログで再三書いていますけど、その感染力と重症化率、水痘やインフルと違って効く薬が全くないってところで、現代国家として絶対に流行させてはいけないのです。

 

平成27年に天下のWHO様から日本は麻疹排除国として認定がされました。でも、平成26年に同様に認定されたモンゴルではその翌年に大流行しています。排除国認定なんていい加減なもんです。麻疹なんて全然流行っているとか聞かないしとか言って、みんな接種しなくなるとすぐにどこからか湧いて出てきますよ。

 

風疹も感染した本人の症状は軽いことが多いですが、近年問題になっているのは先天性風疹症候群ですね。妊婦さんが感染するとお腹の赤ちゃんに視力や聴力、脳、心臓に障害が発生する病気です。幼稚園や保育園など妊婦のお母さんがいっぱい迎えに来ていますから、そこで流行しちゃうと本当に危険です。また、子ども(女の子)が将来妊娠したとき、子ども(男の子)の奥さんが妊娠したときに、感染しないようにするためにも必ず2回接種を忘れないようにしないといけません。

 

某アンチワクチンの教祖みたいな人が、風疹ワクチンは子どもを作りたいと思ったときに接種すれば良いなんてとぼけたことを書いています。まず、風疹ワクチン(生ワクチン全般)は妊娠初期の胎児への安全性が不明で、接種時に妊娠の可能性があると接種出来ません。接種後も2ヵ月間は避妊しないといけません。確かに子どもを作ろう!と思うまでがっつり避妊するような女性ばかりだったら、それで良いかもしれません。でも、今時、そんな妊娠可能年齢の女性がどれだけいると思いますか?一人目を出産してすぐの女性ぐらいでないと、とても怖くて接種出来ません。

 

実際に1歳になったときにする1回目接種はみなさん忘れてないことが多いですが、小学校入学前の2回目が時々忘れられていることがあります。小学校に入るまでに打たないと公費で受けられません。自腹で接種すると1万円以上かかります。ランドセルとか学習机とかの準備で大変でしょうけど、くれぐれもお忘れなく。