こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。
さて、麻疹ワクチンがうちの地域でも手に入らなくなりました。だから、もうワクチンを勧めることはしません。以下、ひとりごとです。
現在、最も危険なのは全く麻疹ワクチンを接種してない(もちろん罹患もしてない)方で、まあこれは当然過ぎて特に言うことありません。注意が必要なのは、平成20年の2回のワクチン接種を定期化(このとき漏れが無いように中3、高3にも接種が出来るようにされた)の対象にならなかった平成2年4月より前に生まれた方々。またはそれ以降に生まれていても、その時期のワクチン接種を促す通達を親御さんが無視して接種してない方です。つまり現在のお父さん、お母さん世代ですね。高齢者は麻疹がまだしばしば流行っていた時期を経験しているし、子どもも2回の定期接種をしているので比較的安心です。ところで赤ちゃんはどうなの?
そう、以前から疑問だっけどこのたび改めて感じているのですが、1歳にならないと麻疹ワクチンが定期(無料)接種出来ないということ。これは1歳未満の乳児期は母体から免疫をもらってるから大丈夫という根拠なのですが、その母世代の抗体が下がっているから不十分だ、ワクチン追加接種すべきだという話になってるのって。これ、明らかに矛盾してますよね。母体からの抗体があてにならないなら、もっと早く乳児のうちから定期接種にすべきじゃないのでしょうか?実際麻疹風疹ワクチンの添付文書には年齢に関係なく接種出来ることになっていますし、リスクが高ければ6カ月からの接種も勧められています。なぜ、もっと早くから定期接種にしないんでしょう?
このたび乳児へ麻疹が感染しないかとても心配しています。対策としては、まずは家族が感染しないように最大限の努力をすることです。ワクチン以外には、おそらくそれしかありません。
追記:もし1歳未満で接種されても1歳からの定期接種は通常通り進めることになっています(1歳未満での免疫獲得が弱いことがあるため)、ご注意下さい。