栗東よしおか小児科の院長ブログ

滋賀県栗東市で小児科医院を開業しています。小児の発達、小児の病気、開業準備のことなど書いてます。

風疹は検査不要、風疹単独ではなく麻疹風疹混合ワクチンを接種しましょう!

こんばんは。滋賀県栗東市の「栗東よしおか小児科」の吉岡誠一郎です。
看護師、脳波技師とも随時募集中です。

さて関東を中心に風疹が流行しているようです。風疹そのものは感染しても麻疹ほど重症化することなく、発疹は派手ですが症状の程度は軽く治ります(だから別名「三日ばしか」とも言われます)。問題はそれを妊婦さんに感染させたとき、先天性風疹症候群という眼球奇形、難聴、心奇形、脳障害などを持った赤ちゃんが生まれることがあることです。

マスコミやSNSを見ていると、抗体検査をして風疹抗体価が上がっているか確認をとか、風疹ワクチンを早めに接種をとか、言われていますが、どっちも間違っています!!!

すぐに麻疹風疹混合ワクチンを接種!、その一択です!

抗体検査して数値が高くても数年すればまた下がってくることも多いです、現実的なところ麻疹にも風疹にも直に接触する機会が少ない現代で、十分抗体値が上がっている方は少数派と思います。仮に抗体値が高くてワクチン接種して何か不都合があることはありません。わざわざ自費で抗体検査してワクチン接種するなんてお金も時間も無駄です!

そして、麻疹も同様ですが、折角混合ワクチンがあるのに単独ワクチンを接種する必要ないです。麻疹が流行してるときに麻疹風疹混合ワクチンを接種してれば風疹が流行しても慌てる必要ないし、その逆も同様です。混合ワクチンの方が少し高いですが、それぞれ別々に接種するよりはるかにお得です。もうね、麻疹も風疹も単独ワクチンなんて製造終了すれば良いのです!

というわけで、麻疹も風疹も自分のワクチン歴に不安のある方はさっさと混合ワクチンを接種しましょう。ちなみに、20歳台の若い方で親に聞いたら麻疹や風疹に感染したことあると言われたという人が時々います。その情報は怪しいです。実際、ここ20~30年の流行はいずれも散発的なので、親御さんは水痘か何かと勘違いしている可能性があります。怪しければ接種しましょう。